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部屋の中にぴちゃりぴちゃりと音が響いている。 立った状態のカカシの目の前で膝立ちで顔を埋めているサワラ。 「このまま出していい?」 「ん・・・」 必死にカカシの自身に舌を這わせ、口の中で何度も扱く。 そんなサワラの頭をやさしくなで、時折流れる髪の毛をそっと耳にかけてやる。 いくら巧みな舌遣いといえど、足りないものは足りない。 上目遣いでこちらを見上げてくるサワラにゴメンね、と微笑みガシッと頭をつかんで前後に動かした。 「んぐっ!んん、ぐ!」 途端に苦しそうな声を上げるサワラだが、お構いなしに腰も動かして、やりたいがままに支配した。 「あー、ヤバいわこれ」 ハラハラと涙を流しながら、それでも必死に奉仕しようと口を離さないサワラにゾクゾクと背筋が震える。 「は、イきそ・・・」 思わず手加減なしでめちゃくちゃにしてしまいそうだが、なんとか抑えて高みを目指す。 「はあ・・・く、うっ・・・!」 びゅるっと勢いよく口の中へ欲望を吐き出すと、サワラは驚いたように顔を離してしまい、そのまま顔面にも白濁液が飛散した。 「は・・・はあ・・・なにそれ、えっろい」 口の中にも、そして顔面にも自分が吐き出した精液にまみれたサワラはとてつもなく煽情的な姿だった。 「いいね、なんか俺のものって感じがする」 独占欲を満たされるその姿に再び昂ぶりを見せる。 サワラもサワラで恍惚とした表情で精液を飲み、顔に飛んだものも指で拭って舌で舐めとった。 今度は自身が回復するまでサワラを堪能しようとベッドへと押し倒した。 暫くして再び臨戦態勢となった自身をじっくりとサワラの中へ挿れ、そのなんとも形容しがたい快楽に身を沈めた。 「んあっ、はあ・・・カカシ、気持ちいい・・・」 心なしかいつもより悦んでいる様子にカカシも熱が入る。 乱れた呼吸と甘い声を漏らす唇に口づけようと顔を寄せると、最初の時のように顔をそらされた。 「ダメ・・・」 あれほど教えてあげたのに。 あの時は受け入れて、むしろ好んでいたように見えていたのに。 「あぁ、そういうことね」 なにかを察したカカシは顔を離しニヤッと笑った。 「あいつと寝たんでしょ?」 「!」 驚いたように目を丸くするサワラの表情、どうやら正解のようだ。 「どうだった?気持ちよかった?」 「カ、カシに関係、ないでしょ」 ふいっと視線を逸らすものの、その表情がすべてを物語っている。 サワラには見えていないだろうが、ふっと口の端で笑ってある場所を強く突き上げた。 「んあっ!!やっ、そこ、だめ!」 一気に乱れるその様子。 きっとあいつは知らないだろう。 サワラのどこがイイところなのか、どんな顔をして感じているのか、ものほしそうな表情や快楽におぼれた妖艶な顔。 「は、あっ、ん、カカシ、や、気持ちいい!」 きっとこんな乱れた姿は見ていないんだろう。 想像するだけで優越感と支配欲がひしひしと満たされていく。 「そいつがこのこと知ったら、どんな顔するだろうねぇ?」 「・・・ッ!」 途端にきつくなる締め付けに、ぐっと奥歯をかみしめて耐えしのぐ。 「でもさ、気持ちいいから仕方ないよね、サワラ」 そう言ってもはや抵抗する力もないサワラの頬をよせて思うように唇を味わった。 「んっ、ふあ・・・は、んむ・・・!」 「く・・・はあ、ふ・・・」 口と口の間から漏れる吐息が耳に心地よい。 指を絡ませて、舌を絡ませて、粘膜を絡ませて、まるで一つになってしまったかのよう。 まもなく二人は互いの名前を呼びながら絶頂を迎え、ベッドの上で抱きしめあっていた。 「ねえ、もう、この関係やめよう」 カカシのぬくもりを感じながら、サワラはもやもやと心の中で渦巻いていた思いを初めてつぶやいた。 体を合わせるたびに、ズタズタに胸を引き裂かれていく。 彼の愛に心は満たされるけど、そこに足りないものをカカシは十分に与えてくれる。 身体を合わせるたびにそんなことを考えて、どんどん自分が汚らわしく思えてきて、いっそのこともう、やめてしまいたかった。 「彼氏のところにいくの?」 なんともないようにカカシは感情の読めない声色でサワラの頭をやさしくなでた。 「・・・彼氏じゃないよ」 「そう」 何を考えているのかわからない返答を残し、カカシはベッドから立ち上がった。 「風呂、入ってくる」 ポツリと残されたサワラはティッシュで後処理をして、カカシが戻ってくる前にさっさと逃げるように家から出て行った。 もう、終わらせよう。 自分からやめればいいだけの話。 それでも次を最後に、とカカシを求める体は再びその扉に手をかけていた。 やめなければ、と思いながらもカカシから与えられる快楽は、背徳感も相まってサワラの頭を犯していった。 「ねえ、わたしたちもうこの関係やめよう」 「また言ってるの?」 サワラがこの関係から逃げられないと知ってか、サワラの言葉にカカシはいつも感情の読めない返事しかしなかった。 「だってわたしたち、友達でしょ」 「はは、セフレってこと?」 行為の最中にチラリと彼の顔が浮かんでは、目の前のカカシのすべてに埋め尽くされていく。 訳が分からなくなって、考えるのさえ面倒になって、ただ気持ちのいい行為に逃げてしまう。 「明日は彼と会う約束だからここには来ないから」 「なんでおれに言うの?」 「別に。なんとなく言いたかったの」 どんな返事を期待していたんだろう、自分で言っておいて後悔が生まれる。 「シャワー浴びたら今日は帰るね」 「泊まっていけば?」 「ううん、やめとく」 「そう」 こうして今日も、狂った関係の拍車は回り続けていた。 自分の家のベッドで死んだように眠り、約束の時間になったら待ち合わせの場所に向かった。 そこにはすでに彼が待っていて、時折腕時計を見てはソワソワとサワラのことを待っていた。 「ごめん、お待たせ」 「ああ、サワラ。いや、全然待ってないよ」 時間通りに来たけれど、きっと彼はもっと前に来て待っていたんだろう。 サワラの顔を見るや否や、嬉しそうに微笑んだ。 「じゃあ、行こっか」 彼は自然とサワラの手を取り、人込みから守るようにリードしながら街を歩いた。 いろんなお店を覗いたり、あちらこちらへと歩き回った。 それはいわゆるデートというもので、彼は始終楽しそうにニコニコしていた。 「疲れてない?休憩がてらお茶でもしようか」 そう言っておしゃれなカフェに向かい、二人はコーヒーを飲みながら他愛もない会話を楽しんでいた。 「こんなお店あったなんて知らなかった!よく知ってたね」 「まあね」 サワラの言葉に彼は照れたように笑い、教えてもらったんだ、とポリポリと頬をかいた。 「そうだ、前に僕が言ってたあの場所覚えてる?」 「ああ、あの絶景が見れるって言ってた?」 「そう。もしよかったら今度さ・・・あれ!やあ!」 「?」 向かいに座っていた彼が突然サワラの奥を見て片手をあげた。 知り合いが来店したのだろうか。 「サワラ、紹介するよ。この前、仕事を依頼してから仲良くなったんだ。こちら、カカシくん」 「えっ?!」 二人が座る席の隣に立つ見慣れた人物。 彼は久しぶり、と親しげに握手までしている。 「こちらは、そのー、僕の友達のサワラ。まさかこんなところで会うなんてね!」 「やあ、はじめまして。よろしく」 「・・・・」 ゾクッとするような笑みを浮かべてサワラに挨拶するカカシ。 驚きと恐怖でなにも声が出なかった。 「カカシくんもデートかい?」 彼はカカシの後ろにいる女性を発見し、こんにちは、と人懐っこく挨拶していた。 「ん、まあそうかな。じゃあ邪魔しちゃ悪いから、また今度。サワラさんも」 「ああそうだね!また!」 「・・・・・」 終始言葉が発せられなかったサワラだが、そんなサワラを気にするそぶりも見せずに二人は彼の後ろの席に座った。 そこはよりによって運悪くもサワラからはよく見える位置で、彼と彼女を挟んで向かい合うようにカカシは席についていた。 「あー驚いた。でもまあ、実を言うとこのお店もカカシくんに教えてもらったんだ。だから偶然会うってのも納得かな」 アハハ、と何も知らない彼は少し興奮気味だったが、サワラはこの状況に青ざめていた。 ドクンドクンと心臓がざわついている。 「この前は彼女いないって言ってたのになあ。サワラ?どうしたの?」 「あ・・・いや、ううん、なんでもない」 彼越しに見えるカカシは一度もこちらを見ることなく、うっすらと微笑みを浮かべながら彼女と親し気になにか話していた。 「ご、ごめん、ちょっと」 気が動転して、でもそれを彼に悟られてはいけないと慌てて席を立った。 カカシが見えないようにトイレの中に入り、深呼吸を一つ。 まだ心臓がドキドキしている。 微妙なバランスでつなぎとめていた世界がこんなところでぶつかり合うとは。 カカシはわざと彼と接触したのだろうか。 なにを考えて、どういう理由で・・・。 「はあ・・・」 考えたところでズッシリと頭が痛くなるだけ。 席に戻ったら、彼には悪いがなにかと理由づけて店を変えてもらおう。 覚悟を決めて、トイレのドアを開ける。 「あっ・・・・!」 「偶然だね」 通路に待ち構えるようにカカシが壁にもたれて立っていた。 「どういうつもりなの」 「別に?おれもデート」 ニヤッとサワラのことを挑発するような笑み。 二人で話しているところを彼に見られたら、カカシが彼にすべてを告げたらなにもかもおしまいだ。 「お願いだから、彼には言わないで」 「どうしよっかなぁ」 「お願い・・・」 優しい彼の微笑みが悲壮に歪むのを見たくない。 するとカカシはサワラを壁に押し寄せ、あろうことか顔を寄せてきた。 「待って、やめて!」 「静かにしないとだれか来るよ?」 「・・・ッ!」 必死にカカシのことを押し離そうとするもビクとも動かない。 「あいつにおれたちのこと秘密にしたいんでしょ?」 「そう」 「じゃあさ、サワラからキスしてくれたら何も言わないよ。約束する」 「・・・は?!」 思いもよらない提案に目の前がチカチカする。 「ま、おれはどっちでもいいんだけどね」 またしても自らで決断を下さなければいけない残酷な条件を、カカシはなんともないような表情でサワラに申し付けた。 遠くでガタッと椅子をひく音が聞こえる。 もしかしたら長い時間席を外していることに疑問を思った彼が様子を見にこちらに来るかもしれない。 こんなところを見られたらと思うとゾッとする。 だったらもう・・・ 意を決してカカシのことを見上げ、そっと唇を寄せた。 「・・・んん!」 触れるだけのキスかと思いきや、カカシはサワラの頭を壁に押し当てるように深く口づけ始めた。 「んん・・・や、あ・・・」 必死に抵抗するもそれは空しく、その場に似つかわしくない濃厚な口づけを求められた。 「は、はあ・・・」 ようやくカカシが口を離すと、ツウと唾液が二人を結んだ。 「先に戻りな。あと、その顔のまま戻ったら意味ないと思うよ」 クス、とカカシは笑って朦朧としているサワラの背中を押した。 「非道い」 サワラはそう言い残し、顔を真っ赤にしたままその場を去っていった。 「ほんと最高」 キスしただけであんな表情を浮かべるなんて。 カカシは欲望にまみれた笑みをなんとか抑え、少し待ってから座席へと戻っていった。 「サワラ、大丈夫?具合でも悪い?」 「ううん、ごめんね、大丈夫だから」 席に戻ってきたサワラを彼は心配そうに見つめるが、その視線が一番恐ろしかった。 もしかして気づかれた? もしかして実はすべてを知っている? 「あ、あのさ」 「おまたせしました!」 サワラの震える声は明るいウエイトレスの声にかき消された。 「こちら季節のタルトでございます!」 「ああ、彼女に」 目にも鮮やかな美しいタルトがサワラの前に置かれた。 「ここ、フルーツタルトが美味しいんだって。サワラ、ケーキ好きでしょ?」 「ありが、とう・・・」 朗らかな彼の微笑みに、サワラの緊張していた気持ちがほぐれていった。 「あ、なにか言いかけてたよね?どうした?」 「ううん、なんでもない。いただきます」 こんな純粋な笑顔を浮かべる人を疑うなんて間違っていた。 なにを疑う必要があったんだろう。 こんないい人なのに。 「わあ、おいしい!あれ?わたしのだけ?」 「うん、僕はサワラの喜ぶ顔が見られればいいから」 なんてね、と笑う彼につられてクスクスとサワラも笑った。 「でもほんとに美味しいから、食べてみて」 フォークで切り取って彼の口元へもっていくと、彼は恥ずかしそうに口を開けた。 「ね?美味しいよね」 「うん、すごく」 こうして微笑みあうのはまるで恋人同士のようで、感じていた恐怖と焦りが解けるように心があたたまった。 さっきまでのことだとか、いままでのことだとか、胸の中でグルグルと渦巻いていたものが一気に解消されたような気がした。 「アハハ、もう、カカシったら!」 奥の席から聞こえた名前にピン、と鼓膜が反応した。 ダメだとわかっていても彼女の声が耳に入ってきてしまう。 ふと顔をあげると、彼の奥に座るカカシが目に入ってしまった。 「・・・・・」 カカシはそれに気づかないのかこちらを一切見ず、そっと彼女に手を伸ばして髪の毛をかけてやっていた。 「ねえカカシィ~?このあとさ・・・」 こちらに背中を向けている彼女なのに、猫なで声がやけに響いて聞こえる。 一方こちらを向いているカカシの声はなにも聞こえない。 「ね?いいでしょ?」 彼女はクスクス笑っていて、でもカカシはその問いになんて答えたのかがわからない。 カカシはなんて答えたんだろう。 彼女に触れているその手はどんな温度なんだろう。 冷たいけれど、触れられた場所は熱を持ったように熱くなってくる不思議な手。 ・・・ずるい。 こんなにも近くにいるのに触れられないなんて。 「・・・い、おーい。サワラってば聞いてる?」 「あっ、な、なに?」 ハッとして彼の方を慌てて向くと、少し心配そうな顔をしてサワラのことを見つめていた。 「どうしたの?なにか考え事?」 相変わらず彼は優しく微笑んでいて、その笑顔に胸が苦しくなる。 「あ・・・なんかこの前飲んだワイン、美味しかったなーって思って」 アハハ、と笑顔を繕ってみるが、果たしてうまく笑えているだろうか。 どんな反応してるだろう、とチラッと彼の顔をうかがうと、驚いたような何とも言えないような表情をしていて、想定外にも赤面していた。 「ど、うし・・・」 どうして顔が赤いの、と聞こうと思った瞬間、そのワインを飲んだ時のことを思い出した。 「サワラ、あのさ、よかったらこのあと・・・」 彼は照れたような笑みを浮かべ、なにかを言いかけていたが、その瞬間ガタガタと後ろの席の二人が立ち上がり店の出入り口へ向かおうとした。 当然、サワラたちのテーブルの横を通るわけで。 「じゃ、お先に。彼女さんも、またね」 「!」 「カカシくん!うん、また。そちらの彼女さんも、どうもね!」 彼はワハハと空元気気味に挨拶を返していたが、サワラはバチリとカカシと目が合い心臓が跳ね上がった。 『またね』 その言葉が意味することは、この前散々教えられた。 歩き去ったあと、そっと振り返るとカカシもこちらを一瞬振り返り、意味ありげなまなざしを残していった。 「・・・・ッ」 その赤い瞳を見ただけで、ビクッと震え、一気に体が熱くなる。 ただカカシと目が合っただけなのに、身体を交えた時のことが頭を一気に埋め尽くす。 そのたった一瞬の出来事に、今までのことを圧縮したかのように長々と頭を占めていく。 「ねえ」 「あっ!」 後ろを向いたままだったサワラの肩をポン、と彼が叩いた。 その瞬間に頭の中に流れていたいろいろがぷつんと途切れた。 「カカシくん、ああ見えて忍者なんだよ。今日は私服だからオフみたいだね」 「あ、あぁ、そうなんだ」 ドキドキとうるさいくらいに心臓が鳴り、今すぐにでもカカシのもとに駆け寄りたかった。 「それでサワラ、よかったらこのあと、そのー・・・僕の家に来ないかい?」 「え?家に・・・?」 「あっ、いやっ!その、違うんだ!ワイン、飲むかなーって!」 そうだ、このままカカシの家に行って、それで・・・ 「あ、でもサワラの予定が大丈夫だったらでいいんだけど、どうかなーって!」 カカシはあの彼女とホテルにでも行ってしまったのだろうか。 でも、あの言葉の意味はきっと。 「あの、わたし・・・」 ガタっとけたたましく椅子が鳴るのもいとわずに立ち上がり、ヨロヨロとその場から数歩さがった。 「サワラ、ちょっと、大丈夫?」 あまりにも様子がおかしいサワラに彼も立ち上がり腕をつかんだ。 「ごめん、わたし先に帰るね」 「え?!サワラ?!」 戸惑う彼の腕を振り払い、そのまま一切後ろを振り返らずに店を出た。 目の前がチカチカする、 2<<< Under TOP >>>4 |