「やあ、具合はどう?」


瞬身で倉庫の中へ移動し、床へ座り込んでいるの前へと現れた。

任務を終えてから来たが、すっかりと夜遅くなってしまった。


「・・・」


カカシの言葉には一切の反応を見せなかったが、ぎろりとカカシを睨みながら身にまとっているマントを強く握りしめたのが見えた。

じろりと観察すると、指先に傷を作っていたりマントにも土が付着しているのがわかった。
倉庫から脱出しようとしたのだろう。

まあ相変わらずこの場にいるということは、結果は残念ながら無理だったようだ。

脚のワイヤーは外したが、手首のワイヤーはつけたまま。
昨晩に暴れたせいですっかり手首に傷がついてしまったが、そのワイヤーを外そうと躍起になったのか、血がにじんでいた。

置いて行った兵糧丸の袋は動かされた形跡もなく、食事をとっていないことはの顔色を見れば瞭然だ。

ひょい、とその袋を回収して、代わりに買ってきた弁当を差し出した。

「はい、お前のエサだよ」
「・・・・」

当たり前のように人間の尊厳を汚す言葉を吐けば、の瞳がゆらっと揺れた。
自分の言葉で着実にの首を絞めているのを実感して、口の端が思わず上がる。

「餓死されても困るからね。買ってきてあげたよ」
「・・・いらない」
「お前に拒否権はないよ。食べなさい」

手首のワイヤーを外してやりながらそう言えば、ようやく手を伸ばして弁当を受け取った。

積み上げられた荷物の上に座って監視をするように見ていると、作業的に口へ食べ物を運び始めた。
美味しそうにもまずそうにも見えないまま表情のが、カカシの方を見上げた。

「・・・あなたは?」
「俺はいい」

短い会話を済ませ、再びは箸を動かしたが、すぐに止まってしまった。
ほとんど残したままの弁当を床に置き、血がにじむ手首をさすっていた。

「あぁ、そうだ。今日はプレゼントがあるんだ」

すとん、と地に降りて、ポーチからあるものを取り出した。
それをくるくると指で回しながらに近づくと、ますますマントを強く握りしめた。

そんなのもお構いなしにの前にしゃがみ、ぐいっと押し倒した。

「な、なによ!離れて!」

途端に声を張り上げ、カカシの両肩を力いっぱい押した。
ようやく目の色を変えて怯えるに、カカシはニヤリと笑った。

「暴れるならまた縛るよ」
「勝手にすればいいじゃない!離れて!!」
「そう。じゃあ、遠慮なく」

の首に手を伸ばし、首を絞めるように手を動かした。

「・・・っ!!」

恐怖で言葉を失い、カカシの手を振り払おうと手を抑えた。
のひやりとした手がカカシの手首に触れる。

カチリと音をたて、それはの首につけられた。

「これって・・・」

自分の首を触って何を付けられたのかを確認する

「はは、似合ってるよ、首輪」
「首輪・・・」

怪訝そうな顔を浮かべ、ぐいっと外そうと引っ張った。

「それ、忍犬につける本物のやつだから簡単に外せる代物じゃないよ」

それを聞いてすぐには指を外し、カカシを睨みつけた。

「こんなものつけて、手中に収めたつもり?」
「まさか。そんな簡単に堕ちる女じゃないでしょ」
「当たり前じゃない」

強気に言葉をもらすの首輪を指で撫でた。


「犬は調教するのが楽しい」


そのまま顎に手をかけ、くいっとカカシの方を無理やりむかせる。

「最初は噛みつく犬だって、いずれ飼い主を見ればよだれを垂らして悦ぶようになる」
「ッ・・・・この、変態!」

カカシの狂気じみた言葉には顔を青くした。
言葉の意味を考えれば考えるほどゾッとする。


「さぁ、訓練を始めようか」


カカシの光の見えない漆黒の瞳がを捉え、暗闇へと閉じ込めた。
ぐにゃりと不器用にゆがめられた狂った笑みが、に更なる絶望を与えた。



*    *    *    *    *



「昨日よりはだいぶマシになったな」

ぴちゃりぴちゃりと音を立ててカカシの自身に舌を這わせる

抵抗したのもつかの間、散々好きなように身体を撫でまわされ、唯一着ていたマントも奪われてしまい、カカシの前に一糸まとわぬ姿で跪いていた。

「こうして見てみるとホント犬みたいだねぇ」

ぐい、と首輪を引っ張られ喉の奥に自身が当たる。
たまらずえずき、口の中から自身を吐き出した。

「うっ・・・げはっ、げほげほ!」

生理的に涙が溢れ、泣きたくもないのに涙が頬を伝う。
衰弱した体力ではもうもたないのか、眩暈がして床へと倒れこんでしまった。
先ほど奪われたマントが敷かれているとはいえ、直に硬い床が骨に当たって痛みを感じる。

こちらを見下ろしている相手に横たわりながら睨みつければ、相変わらずの狂気じみた微笑みが返ってきた。

「そんなんじゃあ、やっていけないよ」
「・・・あんたのせいじゃない」
「はは、そうかもね」

好都合だと言わんばかりにの上に覆いかぶさり、力の入らない身体を好きなように動かされた。
貧血の時のように目の前がくらくらして、全身が鉛のように重い。
きっとこのまま眠ってしまえば楽なのに。
それを許してもらえるわけがない。

気付けば四つん這いの格好にさせられ、力の入らない腕で上半身を支えた。
ヒタリとカカシの自身が宛がわれ、ハッとして慌てて体勢を崩そうとする。
しかししっかりと腰をつかまれ、動かそうにもみっともなく腰を動かしてしまうだけになってしまう。

「なに、誘ってるの?」

くすくす笑う声が後ろから聞こえる。
否定しようと声を上げようと瞬間、ずずずっと自身が入り込んできた。

「ひっ・・・!い、いや・・・あ・・・」

ぐぐっと奥まで挿れられて、たまらずマントを強く握りしめた。

「さっそく調教した成果が出てるよ」
「な、なにが・・・」
「ほら、聞こえるでしょ」

カカシが腰を引けば、粘膜が音を立てているのが聞こえた。

「こんなスムーズに動けるんだけど?」

そう言って再び自身を奥まで挿れこみ、ぎりぎりまで抜いた。
まるで見せつけるように何度もゆっくりとその動きを繰り返した。

「ん・・・や、ちがう、・・・やめて、抜いてよ・・・!」
「はは、なにがちがうの。こんな濡らして」

カカシの手が結合部に伸び、その部分を指で弄った。

「ひあっ!あ、やっ・・・やだ・・・」

否が応でも聞こえるその音に、もう否定することができなかった。

「ほら、見てごらん」

首輪をぐいっと引っ張られ、無理やり首をまわされる。
見たくもないその先には、自分の蜜がしっかりと絡まったカカシの指。

「ね?」

必死に目をそらすの口に、無理やりその指が入り込んできた。

「舐めて」

いつもの命令口調に、の震える舌はカカシの指を愛撫するように動かされた。

「首輪していつもより感じちゃった?はは、人のこと言えないくらいとんだ変態じゃない」

なにか言いたげなを無視して、カカシはゆっくりとした腰の動きをだんだんと速めていった。
の口に指を咥えさせていることで、喘ぎ声を我慢させることを阻んだ。

「は、あ・・・っ・・・ふあ・・・」

カカシの指を伝い、の唾液が口の端から零れ落ちる。

その姿にカカシはぞくりと背筋が震え、口から指を離し、腰へと手を宛がった。

ぐいっと腰を何度も強く突き上げ、そのたびには我慢したように息を荒げ、小さく声を上げた。
それはまるで獣の交わりのようで、の首輪がやけにカカシの気持ちを高ぶらせた。

自然に動きが早まり、倉庫内に互いの身体がぶつかり合う音が響いた。

「ねぇ、また中に出していい?」
「だ、だめ!やめて!!」
「でも奥に当たる感じ、好きでしょ」
「そんなわけない!いやっ、抜いて、お願い!」

カカシの律動に揺さぶられながら、必死に声を張り上げて拒絶する
逃れようとするが、相変わらずカカシの手によって自由に動けない。

「ていうか・・・そっちもそろそろイきそうなんじゃない?」

自身に絡みつくようなの中の動きや、しだいにの声に余裕がなくなっている。
がマントを握りしめたまま何も言わないのが、その考えを確信させる。

「イかせてあげようか」
「いや・・・やだ、もう離して!」

マントを握る手にますます力が入る。
それを見たカカシはニヤリと笑って、何も言わずに腰を強く叩き付けた。

「やっ、あっ、まって・・・!はあ、あ、やだ!」
「中にいっぱい出してあげる」
「やめて!だめっ、いや・・・あっ!」

の甲高い声と、お互いの身体がぶつかり合う音が倉庫によく響く。
首に鈍く輝く首輪がカカシの背筋を震わせる。

「はぁ・・・く・・・ッ!!」
「やっ、あっ、だめえぇっ!!」

どくどく、と勢いよく奥に吐き出され、その感覚にもついに達してしまった。
目の前がバチバチとスパークして、身体に力が入らない。
ずるりとカカシの自身が抜かれたと同時にぐったりとマントの上に横たわった。


「中に出されてイくなんて、やっぱ才能あるよ」


いつものようにカカシはさっさと身支度を整え、マントの上で意識朦朧としているに言葉をかけた。

どうやらだいぶ体力を消耗したのか、睨み返してもこないし、なにか声を荒げることもない。
ただ荒い呼吸を繰り返し、虚ろな目で横たわっていた。

土やら何やらでだいぶ汚れてしまったマントに、新しいマントを追加しての上にかけてやった。

ちらりとカカシを見たのち目を閉じたと思えば、そのまま意識を失った

「・・・・・」

乱れた髪の毛を整えてやり、カカシは何かから逃げるようにその場を足早に去った。




*    *    *    *    *



それから数日間、カカシは倉庫を訪れてこなかった。

そのくせ、忍犬を使って毎日食事は届けられ、
ある日には弁当の他にマットや毛布など、日用品も届けられた。

もうとっくにこの倉庫から脱出することは諦めた。


「・・・・」


時計もない中、時間を知る唯一の頼りは窓から入る太陽の光だけ。

初めてカカシが倉庫を訪れなかった日は、恐怖におびえながらマントの中に丸くなって浅い眠りについた。
しかし、ここ数日間ずっと顔を見せないことは、を安心させるどころかますます不安に陥らせた。

身体を動かすたびに首に感じるヒヤリとした感覚が、否が応でもカカシの存在を思い出させる。

狂気じみたあの笑顔に全身が震え、急いでトイレへと向かった。


「うっ・・・うぐ・・・うえぇ・・・」


胃液しか出てこないのに、恐怖で引きつった内臓は全てを外に出そうとする。

「はあ・・・はあ・・・」

力の入らない身体を無理やり動かして、マットの上へと倒れこみ、目を閉じた。


もうこんな世界、壊れてしまえ。






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