みなさん、ご心配ありがとうございます。
僕です。

簡単に言うと僕は振られました。
がカカシくんと知り合いだったこと、そして二人が結ばれたことも、本人から聞いて知りました。

でも僕は元気です。
案外、気丈なのかもしれないです。

が心を病んだ時、きっと僕は求められると思っていた。
でもどうやらが求めたのはカカシくんだったようだ。

実を言うと、に拒絶されてトボトボ帰っている道すがら、カカシくんとすれ違った。

「や、どうも」
「カカシくん・・・」

あまりにも僕が沈んだ顔をしていたのか、それともただならぬ雰囲気に気づいたのか、カカシくんはどうしたの?と聞いてきた。
そこで僕はの名前は言わずとも、もうダメかもしれないと全てをぶちまけてしまった。
しかも路上で。

そんな僕にカカシくんは慰めるもなく、煽るわけでもなく、ひたすら話を聞いてくれていた。

「もう僕は終わりだよ、終わり」
「でもおれは尊敬する」
「・・・は?カカシくん、僕の話聞いてた?」

カカシくんの表情からして、決して茶化してるわけでもない。

「気持ちを真っすぐ伝えたんでしょ?おれはそんな勇気もなかった」
「カカシくん?」
「ただの卑怯者なのかもね」
「・・・・・」

僕の話をしているようで、なにか違う話をしている。
それがなにかを知るすべなんてなく、その時は察することすらできなかった。

「そうだ、例の絶景が見れる場所、行ってみたら?気分が晴れるかもよ」
「・・・そうだね」
「今度おれも誘ってよ。たまには男同士でもいいだろ?」

そう言ってカカシくんは僕の肩をポン、と叩き、家へと帰っていった。


それからしばらくして、と会う機会があった。
あれほど僕を拒んだ後だったわけだし、きっとさよならの挨拶だと分かっていた。
実際のもとへ会いに行くと、いつもの笑顔はどこへやら、神妙な顔をしたがそこにはいた。

そして隣にはカカシくんもいた。

そりゃ最初は驚いた、というかハッキリ言ってショックを受けた。
僕はカカシくんに何を相談してた?
カカシくんは僕に何を話した?
・・・その時、カカシくんは何を思っていた・・・?

「・・・・・」

から二人のことを聞いたとき、さすがに閉口してしまった。

「でも・・・は・・・」

ふう、と小さく深呼吸。

はカカシくんといて幸せなんだろう?」

頷くを見て安心した僕は、なんと笑うことができた。

頼むから僕のことは気にしないでくれ、なんて言える元気は今はないけれど、僕を思って悲しんでくれるのはうれしかった。

のことが好きだ。
本当は今も変わらない。
でもカカシくんのことも好きだ。
それも変わらない。
あぁ、もちろん後者は友人としてね。

だから僕は元気でいられるのかもしれない。


「君たちが幸せなら、僕はなにも言うことはないよ。ま、ちょっと悔しいけどね」

ワハハ、と笑った声は不自然じゃなかっただろうか。

「これからもよろしく頼むよ、友人としてね」

ようやくも微笑んで、その隣でカカシくんも表情を和ませた。



さあ、この話はこれでおしまい。

どこかモヤモヤするところがある?
まあいいんだ。
僕は結構すっきりしてるからね。

それじゃあ、僕は絶景を眺めに出かけてくるよ。
さっそくカカシくんも誘ってみようかな。







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