部屋に戻ると、カカシとガイの部屋にの分の食事も用意されていた。
三人は宿の料理に舌鼓を打ち、せっかくだからとビールも注文した。

美味しい料理に、美味しいお酒。
楽しい空間に思わず酒が進む三人。
すっかり顔を赤くしてワハハと笑ってるうちに夜も更けていき、ガイとの任務に体が疲れていたのかがうとうとし始めた。

、寝るなら自分の部屋に戻りなさいよ」
「歯も磨くんだぞ!」
「ん、んー・・・」

この空間から先に抜けるのは本当にもったいない気がするが、もう眠気が限界だったはのそのそと隣の自分の部屋へと戻った。

すでに布団が敷かれていてすぐにでもダイブしてしまいたかったが、ガイに言われたからには歯も磨いて明日の準備もしてようやく布団に潜り込んだ。

「ふああ・・・」

耳をすませば隣でガイとカカシが話してる声が聞こえてくるような、でもそんなことを気にする暇もなく深い眠りについてしまった。



「ん〜・・・」

途中、なんだか息苦しくて目を覚ました。

「ん?・・・え?!」

上半身を起こすと、布団の上にドサッと誰かが倒れこんでいる。

「カカシさん?!」
「ん〜・・・」
「酒くさ!」

カカシは布団の上からを抱きしめるように眠っており、どれだけ飲んだのかぷんぷんと酒の匂いをさせていた。

「カカシさん、起きて!自分の部屋もどらないんですか?ガイさんは?」
「ん〜・・・」

ゆさゆさと肩を揺らすも、さっきから眠たそうな声が返ってくるだけ。

「も〜、なにしてるんですかほんとに」
「よばい・・・」
「は?」
「夜這いしに来た」

ようやくもぞもぞ動き始めたカカシは起き上がったかと思いきや、の肩をガシッと掴んで押し倒した。

「わっ!」
「せっかく任務先で会えたんだよ?運命だと思わない?」
「あ〜・・・酔っ払いカカシさんだ〜・・・」

この感じ、前にもあった。
酒に酔ったカカシはいつもは絶対言わないようなセリフを簡単に言う。
んふふ〜、とふわふわした笑みを浮かべるカカシは優しくの髪の毛を撫でた。

「髪の毛ほどいちゃったの?」
「だって寝てたから・・・」
「もったいない。可愛かったのに」
「出た〜」

ドキドキするを通り越してもはや笑いがこみあげてくる。
上に覆いかぶさっていたカカシはへなへなとの上に倒れ、またしてもカカシに押しつぶされる

「うえ〜重い!」
「ほんとはさっさとガイを酒でつぶそうと思ったんだけどさ、おれも舞い上がっちゃって酔っちゃった」
「うん」

よしよし、と目の前に倒れているカカシの頭を手持ち無沙汰に撫でてやる。
いつもは撫でられる立場なのに、今日はなんだか自分が大人になったような気分になる。

「だから夜這いしようって思って」
「うん・・・えっ?なんで?!」

だから、の意味が分からず思わず突っ込んでしまった。

「まあまあ」

起き上がったカカシはニヤッと笑い、さっきまでの眠そうな表情はどこへやら、その目はしっかりとのことを捕らえていた。

「ま、まってまってまって!ここ隣だから!ガイさん隣にいるんでしょ?!」
「ガイは関係ないでしょ」
「ある!」

グッとカカシを押し戻そうにも、全然歯が立たない。

「浴衣はさ、脱がせやすいからいいよね」
「だ、だめだってば!」

いつの間にか布団がはぎとられて、カカシの手はの浴衣の帯を掴んでいた。

「あーれー、てやつ?」
「しない!」

帯ごとカカシの腕を抑えなんとか止めようとすると、その態度にカカシはようやくムスッと眉をひそめた。

「往生際が悪いねぇ」
「あ、当たり前でしょ!」
「じゃあキスしてあげるから」
「・・・え?あっ!」

カカシの提案に一瞬、気が緩んでしまった。
そのすきにスススーと帯がほどかれて、緩んだ胸元をグイッと引っ張られた。

「あ〜らら」
「ちょ、やだっ」

ガバッと胸元が空き、の白い素肌が露になった。
襟元を掴んでどうにか戻そうとするも、それが叶う前にカカシが顔をうずめた。

「や、カカシさっ・・・ッ!」

ヒリッとした痛みが走ったかと思えば、満足そうにカカシが顔を上げた。

「いいねぇ」

ニヤッと笑ったカカシは再び顔をうずめ、の制止も聞かずにいくつも跡をつけていった。

「やっ、あっ、カカシさん!」

カカシが胸元に口づけるたびにビクッと体が震える。
そのすきにもカカシの手は浴衣の隙間から入り込み、縦横無尽にの肌を撫でていた。
背中に回った手がスススーと背筋を伝ってブラのホックを器用に外した。

「ま、まってカカシさん!」
「ダメ、待たない」

中途半端に浴衣を身にまとっているものの、襟元は大きくはだけていてほとんど意味をなしていない。
その上グイッとブラをずらされて、もはやはなすすべがなくカカシの肩にしがみつくだけ。

「ひぁっ!」

突然、先端をペロッと舐められ、思わず声が漏れてしまう。

「シー、隣にガイがいるんだよ?」
「んん〜〜・・・!」

カカシの言葉にハッと思い出し、慌ててバシッと自分の手で口を押さえた。
それを見たカカシはニヤッと笑い、えらいえらいと優しく頭を撫でて手の甲に口づけた。

「んむっ!(ずるい!)」

するなら口にしてくれと手を退かすも、それを無視して首元に顔をうずめた。
カカシの髪の毛がくすぐったく、そして次に何をされるのかわからずギュッと目を閉じて身構えていた。

「・・・・?」

いつまでたってもそこからカカシが動かない。
不思議に思って目を開けると、カカシの背中が一定の動きで上下していた。

「まさか・・・」

そっとカカシの肩を押すと、ゴロンとそのまま横たわった。

「ね、寝てる?!」

さっきまでの勢いはどこへやら、スヤスヤと気持ちよさそうに眠りこけているカカシ。

「え・・・え〜・・・・?」

とりあえず乱れた服をただし、ボンヤリとカカシの寝顔を眺めた。

そういえばカカシも任務帰りだった。
しかも自分たちよりも高度な任務内容だったはず。

「まったく」

呆れたようには笑い、一人用の布団を大きなカカシにもかけてやり、その中に潜り込むようにも一緒に横になった。
まくらも半分こ、布団も半分こ。
すっかり狭くなってしまったが、ようやくも眠りについた。



「まって、キスしてないじゃん?!!」



まさに夢の中に入る寸前、ハッと思い出して飛び起きたであった。








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