「ふああ、あったまったぁ〜」

激務が終わってからのお風呂。
ゆーっくりと身体を暖め、というかむしろ湯船で眠ってしまうレベルでリラックスし、ようやくお風呂から上がった。

髪の毛を軽くタオルドライしてから、身体にバスタオルを巻いて洗面所から出てきた。

「アイスたーべよっと!」

別にだれも家にいないのだから、ずかずかとそのままの姿でリビングへと向かい、冷蔵庫の前へしゃがみこんだ。

「お風呂上りのアイスはたまりませんなぁ」

なんて独り言をいいながら、アイスを取り出す。


「お前さぁ・・・」
「カ、カカシさん?!!?」

慌てて振り返ると、誰もいないと思っていたのに、知らぬ間にカカシが我が物顔でソファに座っていた。
呆れた顔でのことを見つめ、これ見よがしにため息をついた。

「まず言いたいことは二つ」
「はぇ?」

お互いそのまんまの体勢で、カカシは細長い指を二つ立てた。

「一つ目、どうして俺がいることにすぐ気が付かなかったのか。もし俺が悪漢だったら何されてるかわからないよ?」
「あっかん・・・?」
「二つ目、一応お前も女の子なんだから。そういう格好で出てこないの」
「いちおう・・・?」

とりあえずアイスを持ったままぽかんとカカシの言葉を聞いていた。
ところどころ突っかかるところもあったが。

「ほら、風邪ひくからさっさと服着てくる!」
「は、はい!」

アイスを冷凍庫へ戻し、慌てて立ち上がって着替えに洗面所へ向かった。


「いつのまに来てたんだろう・・・ぜんぜん気づかなかった・・・」

ごそごそと着替えながら、考えてみる。
まあ、お風呂につかりながら眠ってしまったから、たぶんその時だろう。
気配に気が付かなかったのは、きっとカカシの気配に慣れてしまったから。ということにしておく。

そういえばカカシは忍服のままだった。
額当てや手甲は外して、ベストも脱いでいたけど、アンダー姿のまま。
もしかして任務終わりにそのまま来たのだろうか。

ようやく着替え終わって、いそいそとカカシが待つリビングへと戻った。


「カカシさん、任務終わりで来たんですか?」
「そ。思いのほか早く終わってね。せっかくだから寄ってみたの」

よいしょ、とカカシが座るソファの隣に腰かけた。

「お風呂入ります?」
「いや、向こうでシャワー浴びてきちゃった」
「なんだ〜ざんねん」
「ざんねん?」
「お背中流してさしあげようと思ったのにぃ」
「はは、そりゃ残念」

ぽん、との頭を撫でるカカシに、ついの頬が緩む。

「じゃあ、泊まっていきます?」
「うん、明日も休みだし、そうするよ。は明日は?」
「わたしも休み!」

お互い忙しい身。
一応も上忍。
連日二人とも任務が重なって休日をゆっくり過ごせるのは久しぶり。
ついつい嬉しくて、声が跳ね上がる。
そんなにくすくすと笑ってしまうが、実はカカシも嬉しかったりする。

「俺の着替えって置いてあるっけ?」
「はい、ありますよ!はじめて・・・・」
「?」

急に言葉を止めたを不思議に思って、のことを見てみれば頬をほんのりピンクに染めていた。

「ああ〜。初めて俺たちがエッ」
「わああ!」

真っ赤な顔をしてパシッとカカシの口を押さえた

「なーによ」
「いや、あの・・・」

ぺいっと手をどかすが、まだはもじもじしている。

「あ、なに、もしかしてエッチ」
「カカシさぁん!」

またしても口を押えられる。
なんだこれ、と思いつつも、なんだかおもしろくなってきた。

「もしかしてこの単語ですら恥ずかしいの?」

再び手をどかし、あえてその言葉を言わないでみると、は相変わらずの赤い顔で小さく頷いた。

「まあね〜、あの時ですらあんなに恥ずかしがってたもんねぇ」
「わわ!ちょ、思い出さなくていいです!!」
「最初はちょっと積極的だったじゃん」
「だ、だって、たぶん酔ってたから・・・」



*    *    *



それは遡ること、劇を終えた日。


「カカシさんの家ってはじめて〜!わーい!おじゃましまーす!」

酔いもさめないまま、陽気なテンションの
ずかずかと家の中へと入り、ぼふんとベッドに仰向けで倒れこんだ。

「ふあ〜・・・きもち〜・・・」

そのまま寝てしまいそうなに、カカシはコップに注いだ水を差しだした。

「ほら、水」
「もう飲めません〜」
「また気持ち悪くなっちゃうよ」
「え〜カカシさんが飲ませてくれるなら飲みます〜」
「まったく・・・。ほら、起きて」

ぐい、とを抱き起し、仰向けに寝かせる。
まるで子供を介抱しているような気分。

「んー」

ぼんやりとしたが腕をカカシの首に回し、顔を近づけてきた。
ずるりと額当てを外され、口布も下ろされてしまった。
やれやれと水を口に含み、そのままに口づければ、こくん、とが飲みほし、満足そうに笑った。

「ふふ、もっとお水飲みたいです〜」

カカシを煽るように上目使いで見つめる。
もう一度水を含んで、再び口づけた。

「ん・・・」

今度は飲みきれなかった分の水がの口の端から伝い落ちた。

調子に乗って少しだけ舌を絡ませてみる。
すると、思いのほかも乗り気で、おずおずと舌を絡ませてきた。

適当な場所にコップを置き、の後頭部と腰に手を添えた。

「ん・・・は・・・」

だんだんと深くなる口づけに、の呼吸が乱れてくる。
ゆっくりとをベッドに寝かせ、上に覆いかぶさった。
キスに夢中なのベストの前を外し、ゆっくりと脱がし始めた。
ゆるゆるとお互いベストを脱ぎ、アンダー姿となった。
一度口を離すと、つう、と銀色の糸が二人をつないだ。

先にカカシが上を脱ぎ、適当にその辺に投げ捨てる。

「わあ」

力の抜けたような顔のが、カカシの上半身を見て頬を緩ませた。

「いーい身体してますねえ」

うっとりとした目線を向けられ、なんだか少しだけ恥ずかしい。

「そういうは?」
「えっわたしは・・・」

ぎゅう、とが服の裾をつかんだのを見逃さなかった。

「幼児体型でも別に笑わないよ」
「よ、幼児体型?!ちがうもん!」
「どれ、見せてごらんなさいよ」
「い、いいですよ?!」

簡単に挑発にのったがぐいっとアンダーをめくりあげた。
が、途中で手が止まる。

「あ、あの・・・むこう向いててください・・・ていうか電気も消してください!!」
「あー、電気ね。はいはい」

よいしょ、とから離れ、ぱちりと電気を消した。
その隙に脱いでるのかと思いきや、むしろめくりあげた分も戻していた。

「こーら。もう電気もついてないし、俺しかいないんだから」

再び元の位置に戻るものの、もじもじとは目を泳がすばかり。

「で、でも・・・」
「はい、両手あげて」
「ちょ、ま、まって、うわあ!」

結局カカシが無理やり脱がせ、なおも隠そうとするの両手を左手でまとめて掴んで頭上で固定した。

「なーんだ。もいい身体してるじゃないの」
「・・・ッ」

耳まで赤くして、顔を背けている

「それに、身長の割にはなかなか・・・」

右手をそっとふくらみに宛がい、形を確かめるように優しく揉むと、くすぐったそうに体をよじった。

「ま、まってカカシさん・・・なんか、変な感じする・・・」

無意識なのか、両足をもじもじとこすり合わせているを見て、カカシの理性が飛びそうになる。
恥ずかしいとかなんとか言いつつも、なんやかんやそういう素質はあるんじゃないのか、と考えつつ、胸を揉む右手に力が入る。
の首元に顔を埋め、きつく口づけた。
一瞬にしての色白な肌に赤い印がつき、独占欲が満たされる。

すでに抵抗する力もなくなったの腕から手を離し、ついでにブラもはぎ取ってしまった。
慌てて隠そうとする前にその先端に口づけ、舌を這わせた。
もう一方の胸を優しく揉みしだき、空いた手でズボンを脱がし始めた。

「や、カカシさん!ま、まって、だめ、んっ!」

びく、と身体を震わせて、口から漏れる声を抑えようと自分の口を押さえた。
蕾を甘噛みするたびに甘い声を漏らし、身体を震わせるにカカシはにやりと笑った。

「きもちい?」

意地悪くそんな質問をすれば、目を潤わせたがカカシを見つめた。

「わ、わかんないです・・・けど、なんかすごく、変な気持ち・・・」
「それが気持ちいいってことだよ」

にこ、と微笑むと、は小さく頷いた。
その隙にするするとズボンも下着も脱がせ、一糸まとわぬ姿にさせた。
湿り気を確かめるように指を這わせると、そこはサラサラとしか濡れていない。

なんとなく、わかってはいたけど、

「もしかして、はじめて?」
「ご、ごめんなさい」

恥ずかしそうに頷く

「どうして謝るの。むしろ俺は嬉しいよ」
「え?」

ちゅ、と軽く口づけてにっこりとほほ笑んだ。

のはじめてを貰えるなんて、光栄だよ。ありがとう」
「カカシさん・・・」

ほっとしたのか、ようやくも笑みをこぼした。

「でも、さすがにこれじゃあきついかな」

ぺろ、とカカシは自分の指を舐め、それを潤滑油かわりに一本だけの中へ挿しいれた。

「んっ!」

指をいれてみれば、案外すぐ近くまで蜜は溢れていた。
すぐにすんなりと指が動くほど潤ってきたそこは、指一本だけでもきつく感じられるほどの締め付け。
もう少し慣らさせなければと、指をゆっくり動かし始めた。

「はあ・・・あっ、カカシさん・・・」

初めての感覚に、は気がおかしくなりそう。
不安になってカカシの空いている左手に指を絡ませた。
カカシはその指ですら愛撫するようにの指を撫でる。

一方右手では、すっかり潤ったそこへもう一本指を挿し込んだ。

「んっ・・・ああっ!」

わざと音を立てて中をかき混ぜれば、あとからどんどん蜜が溢れてくる。
そろそろ大丈夫かな、と指を抜き、代わりに自身を宛がう。
少しだけの目に不安の色が走るのに気が付き、安心させるように、優しく両手を握った。

「ごめんね、ちょーっと痛いかも」
「ううん、だいじょうぶ。カカシさんだから、きっとだいじょうぶ」

へにゃりと力なく笑うを見て、カカシも優しく微笑み、ゆっくりと腰を落とし始めた。

「んっ・・・」
「は・・・キツ・・・」

まだ先端だけなのだが、あまりの甘美な締め付けに頭がくらくらする。

少しずつ少しずつ、慣らすように進めていく。

「はあ・・・ぅあ・・・」

苦痛にゆがむを目の前にして、つい腰が止まってしまう。
そんなカカシに気が付いたは、苦しいはずなのに、目をあけてカカシのことを見つめた。

「だいじょうぶです、カカシさん。だから・・・きて、ください」

きっと苦しいはずなのに、痛いはずなのに、無理やりカカシに微笑んだ。
そんなが愛おしくて愛おしくてたまらない。

頬に手をあて、小さく口づけを落とす。

「ごめんね。あと少しだけ、がんばって」

再びゆっくりと進め、ようやく全てが入り切った。


「全部はいったよ」
「うん・・・カカシさん・・・うれしい・・・」

痛みからなのか、はたまた嬉しさからなのか、ぽろぽろと涙が目から零れ落ちた。

、愛してるよ」
「私も、私も愛してます」

の涙がキラキラと輝く。
愛しさが溢れて、心が満ちる。
どちらからともなく、口づけた。

口づけはだんだんと深くなり、ゆっくりと律動を始めた。

「んっ・・・はぁ、ぅあ・・・」

まだ痛みが残るのか、すぐには口を離した。

「ごめん、もっと優しくしてあげたいけど・・・」

抑え気味とはいえ、少しずつスピードが上がっていく。
本当はの体を気遣って、ゆっくりと慣らしてからにしたいのに、身体が言うことをきかない。

「ううん・・・大丈夫、カカシさんの好きなように・・・」

ぎゅう、とカカシの手を握り、苦痛と快感の両方を味わうの表情に、ますます抑えが利かなくなりそうになる。
の頭を優しく撫で、止まらない腰をなんとか自制する。

「んっ、カカシさん・・・あ、はあ・・・」

ようやくの顔が切なげに歪んできた。
抑えていた気持ちを少しずつ解き放ち、スピードをあげていく。

「カカシさん、あっ、や、あ、きもちい、かも・・・」
「かも、じゃなくて、気持ちいいんじゃなあい?」
「ん、そうかも・・・あっ、んん!」

も気持ちいいと聞いて、ほっと胸をなでおろした。
自分だけが快感を求めているだけでは、意味がない。

「んぁ、あっ、カカシさ、や、だめ、なんか、もう」
「イきそうなの?」
「うん、イきそう、だめ、はあ、あっ、や、ああっ・・・!!!」

きゅう、とカカシを締め付け、先にが達した。
まさか初めてで先に達するとは、本当に素質があるのかもしれない。

「はあ・・・あ・・・」
「イったばかりなのに申し訳ないんだけど、俺もそろそろ・・・いーい?」
「え?ああっ!」

くったりとしているに、抑えを忘れて腰を打ち付け始めた。

「や、まって、まだ、ダメっ!あっ、はげしい、カカシさん!」
「はあ・・・・・・」

だめ、と言いつつ指を絡ませてくるに、カカシも嬉しくなる。

「んっ、や、あっ、あっ、だめ、またイっちゃう!」
「今度は俺も・・・」
「うん、カカシさん、あっ、はあ、んんっ!あああッ!!」
「ん・・・はっ・・・!」

ドクン、と激しく脈打って、二人して達することができた。

「はあ・・・」

乱れる呼吸をどうにか整え、ずるりとの中から抜いた。
そしてそのままの横に横たえた。

「カカシさん・・・わたし、うれしいです・・・」
・・・」

少し額に汗を浮かばせ、涙を瞳いっぱいにためているが、カカシを見つめ、ぽつりとつぶやいた。

「まさか、カカシさんと一つになれるなんて」

瞬きをすると、つう、と涙が目じりを伝う。

「俺も、すごく嬉しいよ。身体は大丈夫?無理させすぎちゃったけど」
「ううん。大丈夫。でも、なんか・・・すごいねむいかも・・・」
「今日は頑張ったからね。ゆっくり休みな」
「ん・・・カカシさんも・・・」

ぽん、と頭を撫でてやれば、小さく微笑んでからすやすやと寝息をたて始めた。
どうやら、そうとう疲れていたみたいだ。
の寝顔を見ていると、カカシの瞼もしだいに重たくなってきた。

幸せそうに眠るをいつまでも見ていたいが、とりあえずが起こさない程度に身体を綺麗にしてやり、カカシも眠りについた。






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