「こんにちはー、遅くなってごめんなさーい・・・」

火影室から急いで特上舎へと来たが、空のコーヒーカップを握ったまま力尽きている忍がちらほら・・・。
いつも扉を開けてすぐにハヤテが見えるはずだが、どうやら今日は任務なのか空席。

〜〜〜」
「アンコちゃん!机に向かってるなんて珍しいじゃない!」

いつもは奥のソファでくつろいでいるアンコが、自分の机に向かってたくさんの書類の山の中に埋もれていた。

「もう任務の報告書とか資料作りに追われて休んでる場合じゃないのよ〜・・・」
「ハヤテもいないしね」
「それなのよ!!あいつに任せようって思ったら一週間任務でいないの!」

あ〜、つかれた!とペンを投げだしたアンコにコーヒーを淹れて持って行ってあげた。

「もう猫の手も借りたいくらい。いや、の手も借りたくらい、かな〜?」

妖しい笑みを浮かべたアンコに少し距離を取ってから、そこらじゅうに散らばっている書類を整理した。

「そのことなんだけど、本当にそうなるかもしれないの」
「え?どういうこと?」
「さっきね」


と、事の次第をアンコに話し、そのまま世間話にももつれ込みすっかり長居してしまった。

「じゃあ待機所の方にも行かなきゃだから、わたし行くね!アンコちゃん頑張ってね〜」
「はいはーい。コーヒー、いつもありがとう。ごちそう様」

にっこりと笑ったアンコに見送られ、急いで待機所へと向かった。

待機所では、特に顔なじみがいるわけでもなく、遅れたことを怒られるわけでもなく、淡々と仕事を終えて帰路へと着いた。

もしかしたら今日が最後になるかもしれないっていうのに、ハヤテもガイもいないなんて、ちょっとさみしい。
これからのこともきちんと話しておきたかった。
しかしまあ任務だから仕方がないか、とすっかり夕焼けの空を仰ぎ見る。

少しだけ寄り道をしてから、カカシの待つ家へと帰った。
ドアを開けようと鍵を探っていた時、ドアが開いてカカシが出迎えてくれた。

「おかえり。お疲れさま」
「ただいま。よく私が帰ってきたのわかりましたね」

少し驚きながら家の中に入れば、当たり前でしょ、とカカシが笑った。

「それどうしたの?」
「あ、これ寄り道してコンビニで買っちゃいました」

ダイニングテーブルに買ってきたシュークリームとゼリーを置くと、カカシが冷蔵庫から箱を取り出してきた。

「俺も寄り道して買ってきたんだ」

コンビニではなく、ケーキ屋さんの箱にの期待も膨らむ。

「開けていいですか?」
「どうぞ」

いそいそと開けてみれば、そこにはシュークリームが一つ。

「シュークリーム、かぶちゃった」

ちょっと困ったようにカカシが笑い、つられても笑ってしまった。

「ふふ、こっちのシュークリームの方がおいしそう。でも一つだけ?」
「俺はいいの。ちゃんに買ってきたんだから」
「カカシさん、ありがとう。うれしい」
「コーヒー淹れとくから、着替えておいで」
「はーい」

自室で着替えていると、ほのかにコーヒーのかおりが漂ってきた。
はなうた混じりでリビングに戻れば、皿の上に移されたシュークリームとコーヒーが用意されていた。

席に着く前に冷蔵庫にしまわれていたゼリーを取り出し、自分の向かいの、カカシが座る場所にスプーンと共に置いた。
キッチンから自分のコーヒーを持ってきたカカシが、自分の席に着いた。

「これ、俺のだったの?」
「カカシさん甘いの苦手だから、さっぱりするやつなら平気かなって」
「子どもじゃないんだから〜」

なんていいつつゼリーの蓋をめくるカカシが可愛くてニコニコ笑ってしまう。

「じゃあカカシさん、いただきます」
「こちらこそ、いただきます」

ぱくっとお互い一口食べ、アンコと話した世間話のことや、ハヤテやガイがいなかったことを話した。
カカシは相づちを打ちながらゼリーを食べていたが、ふとの顔を見て、くすりと笑った。

「な、なんです?」
「クリームついてる」

細長い指を伸ばして、の口の端についていたクリームを取って舐めた。

「わー、甘い」
「な、舐めなくてもよかったんじゃないんです?」

クリームがついてたことの恥ずかしさと、カカシが急に近寄った恥ずかしさで顔が真っ赤になってしまったのが自分でもよくわかる。

残りのシュークリームは気を付けて食べようと頬張った矢先、ぶちゅりとはみでて指も口もクリームまみれになってしまった。

「あ、ああ〜・・・」
「はは、なによ、そんなに俺に舐めてほしいの?」

違います、と言おうとした途端、クリームのついた手を取られてパクリとくわえられてしまった。

「こーんなにこぼして。ちゃん、食べるの下手だね」

意地悪くいうカカシに、恥ずかしくてただ顔を真っ赤にするだけでなにも言えなかった。

ぬるりとカカシの舌で指を舐められるたびに、変な気持ちになってくる。

「ほら、ここも」

一端指を離したと思えば、身体を伸ばして口の端についたクリームをぺろりと舐めた。
ばくばくと心臓の音がうるさくなり、体温が上がる。
そんなを無視して、カカシはそのまま軽く口づけた。

「ね、えっちしよっか」

唐突なカカシの言い分に、恥ずかしさが頂点になり頭がパンクしそうになった。
でも体は正直で、こくん、と小さく頷いていた。

それを見届けたカカシは立ち上がり、の手を取って近くのソファーに寝かせ、上から覆いかぶさった。

欲情したカカシの目に見つめられ、目が離せなくなってしまう。
にこ、と愛おしそうに微笑んだカカシは、顔を近づけて再び口づけた。

「ん・・・・」

舌を絡ませると、湿った音が聴覚を犯す。
舌も、指も絡ませ、ただお互いを求め合った。

口づけているうちに頭がふわふわとしてきて、とろんとした目を開けてカカシを見つめていた。
カカシもを愛おしそうに見つめながら、腕を伸ばしてスカートの中へ手を差し込んだ。

太ももを撫でるカカシの手に、身体がビクつく。
しかしなかなか肝心な部分に触れてくれない
自然と身体が動いて、その場所へ誘導してしまう。

それに気が付いたカカシがくすりと笑った。
口を離せば、つぅ、と一筋の糸が二人を繋いだ。

「キスだけでこんな濡れちゃうの?」

そう言って下着の隙間から指を一本差し込めば、そこは何の抵抗もなく受け入れた。

「ぁ・・・!だ、だって・・・カカシさんがっ」
「んー?おれのせい?」

くい、と指を曲げてかき混ぜるように指を動かした。

「んっ!は・・・あっ・・・」

ぎゅ、とカカシの肩につかまり、与えられる刺激に耐える。
何度かなじませるように指を出し入れすれば、十分すぎるほどそこは潤ってきた。
眉をひそめて耐えているの表情に堪らなくなり、カカシは自身を取り出し、下着を脱がせることなくその隙間から挿入した。

「あっ・・・!や、なんか・・・変な感じ・・・下着、はいてるのに・・・中に・・・」
「いいねぇ、そそられる」

ゆっくりと腰を動かし始めると、カカシの腕を握るの手の力が強まった。
の首元に顔をうずめ、赤い印をつける。
そのまま口づけ、再び舌を絡めた。

「はあ・・・ぁ、ん・・・!」

頑張ってカカシの下の動きについて行こうと、必死に舌を絡めてくるが愛おしく、つい腰の動きが早まる。
酸素を求めてたまらず口を離した

「んっ!や、あ、あっ!ダメ、イっちゃう、カカシさん」
「いいよ、俺も」
「うん、一緒に・・・はあ、あっ、カカシさん、イく、イく!あっ・・・!!」
「くっ・・・・!」

きゅう、と締め付けるにカカシも自身の欲望を破裂させた。


「は・・あ・・・はあ、なんだか、いつもより、早くなかったですか?」
「いやー、服を着たままってなんだかよくて・・・。そういうちゃんもいつもよりいい締め付けだったよ?」
「だって・・・・」

恥ずかしそうに顔を背けるに、ちゅ、と軽く口づけ、ずるりと自身を抜いた。

「ん・・・。ふふ、なにもなかったみたい」

その不思議な感覚に慣れないは、くすくすと笑った。
カカシもそうだね、と笑ってそのまま狭いソファーに抱きしめ合いながら横になった。

「こうやって・・・時間を気にしないで、ゆっくりお休みを一緒に満喫できるようになるんですね」

ぽつりと、そしてしみじみとは呟いた。

「・・・俺が無理やり辞めさせたの、怒ってる?」
「まさか!辞めさせられたなんて、思ってもないですし、怒ってもないです!」

にこ、とは微笑み、カカシの頭を愛おしげに撫でた。

「むしろ、こういう時間が増えるんだって思うと、嬉しいです」

ほっとしたカカシもに微笑み、よかった、と抱きしめた。

「でも少し、不安です」
「不安?」
「次のお仕事、わたし大丈夫かなって」

少し顔を曇らせたに、今度はカカシが頭を撫でてやった。

ちゃんは器用だから、大丈夫。なにかあったら、おれも助けてあげるから」
「ふふ、ありがとうございます。頼りにしてますね」

すると、珍しくから口づけた。

「さ、お風呂に入ってさっぱりしてから、お夕飯にしましょう」

恥ずかしさからはさっさと立ち上がり、カカシを置いて風呂場へと消えてしまった。

ちゃ〜ん」

慌ててカカシも後を追い、夕飯の時間が大いに長引いたのは、言うまでもない。






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