コーヒーの仕事が終わって、ただいま引き継ぎ期間。
自分でいうのもあれだが、たいした仕事内容ではない。
が、これからどのように改善していくかを上役で話し合ってるらしい。


だから必然的に


「ひまだな〜」


昼間っからソファでころころしていた。

引き継ぎのための資料も書き終ったし、たいした内容が書かれてない受付の仕事内容の資料も何度も読んでしまった。

カカシは任務へと出かけているし、買い物に行く必要もないし、部屋の掃除もしちゃったし・・・。


「ひまだ〜・・・」


読みかけの本も放り投げて、ぼんやりと外を眺めていた。

コーヒーの仕事の時はぼんやりしてたら時間が来ていて、慌てて家を飛び出す生活をしていた。
考えてみればこんな生活、なんだか久しぶり。


「あ、そういえばこの前の・・・」

先日、アンコが開いてくれた飲み会で、いろんな忍からお疲れ様〜、とプレゼントを貰ったのだった。
あの時は家に帰ってから・・・まぁいろいろあって、いただいたプレゼントもそのまま放置していたのだった。

よいしょと立ち上がり、プレゼントが置いてある自室へと向かった。


「わあ、かわいい!お酒だ〜!」

ごそごそとプレゼントを開けていき、一つ一つに感動していた。
どれもの好みのもので、なんですぐ開けなかったんだろうと自分のだらしなさを後悔した。

全てのプレゼントを開けた後、一番下に見覚えのない包装紙が見えた。

「あ、これって・・・」

そういえばあの時、ビンゴの景品も貰ったのだった。

大きなリボンを外し、袋に手を入れて中身を取り出してみる。


「あはは!なにこれー!」





*    *    *    *    *



「ただいまー」


久しぶりに簡単な任務内容だったため、まだ昼間のうちに戻ってくることができた。
今はやることがなくて暇だと嘆いていたの家へと直接帰ってきた。

「あ!カカシさんおかえりなさい!」

脚絆を脱ぐために下を向いている間に、の声が聞こえた。


ちゃんただい・・・ま・・・」


ぱっと顔をあげると、思わぬ姿をしたに思わず動きが止まってしまった。


「じゃーん、ウサギさんですよー!」


にこにこと嬉しそうに笑っているには、ぴょこんと白いウサギの耳とふわふわのしっぽが生えていた。

「この前のビンゴの景品でもらったんです!うさちゃーん!」

ぴょこぴょこ!と楽しそうに耳を動かすに、カカシはその姿をしっかりと目に焼き付けることしかできなかった。

「あとー、なんかおいしいお酒も頂いて、ちょっと味見もしちゃったんです!」

えへへー、と嬉しそうに笑いながら、呆然としているカカシに抱きついた。
おかげでハッと我に返って、反射的にを抱きしめ返した。

「カカシさーん、おかえりなさーい」
「ただ・・・いま・・・」

陽気に喋るとは裏腹に、カカシはどうしたもんかと頭の中で思考を巡らせた。

この前のビンゴ景品のウサギコスチューム・・・
お酒で酔っぱらって陽気なテンション・・・


『いや、かわいすぎるだろ・・・!!!』


ふわふわと目の間で揺れるウサギの耳を目で追いながら、ぷつん、とカカシの何かが吹っ切れた。

もう考えるのはやめだ。
こんなおいしい状況、楽しまないわけにはいかない。

「俺もそのお酒飲みたいんだけど、まだ残ってる?」
「はい〜、おいしかったのでカカシさんにもって思って!」
「ありがと」

ぱっとカカシの手をつかんで、自室へと連れて行った。



*    *    *    *    *



「でね!わたし早く次のお仕事したいです〜、て言ったのに綱手さまはまだダメーって言うんですよ〜?」
「そりゃあね、ちゃんと仕事環境整ってからじゃないと働かせられないのよ、きっと」

すっかり酔っぱらった二人がそこにはいた。
の部屋の座椅子に並んで座り、小さな机に貰った酒やお菓子を溢れんばかりに敷き詰めた。

のウサギ姿にもようやく目が慣れてきて、で、違和感なく身に着けたままカカシと酒を飲み交わしていた。

「ところでさ、そのウサギの、耳と尻尾だけ?」
「ワンピースとかタイツみたいなのもついてたんですけど、恥ずかしいからやめちゃいました」
「えー、もったいない。着てるの見たいなぁ」
「だめだめ、はずかしいですもん!」

ころころと笑いながら話をはぐらかすようには新しい酒の瓶を開けた。
残念、と思いながらカカシもその酒を一杯もらう。

「そんなことより、これを〜・・・」

かぽっとウサギの耳を外して、ほんのり頬が上気しているカカシの頭に取り付けた。

「か、かわいい〜!!」
「えー、俺なんかよりちゃんがしてる方が何百倍もかわいいよ」
「カカシさんのうさちゃんの威力、なめないほうがいいですよ!」

きゃあきゃあとはしゃぐを見て、思わずカカシも調子に乗る。

「しょうがないねぇ、特別よ?」

かぽっとウサギの耳をの頭へ返却し、両手を組んだ。

酔った頭でも身についた哀しき習性。
しっかりと印を組み、チャクラを練った。


「変化の術!」


ぼふん、と煙がカカシを取り巻いた。

「・・・!」

煙が消え去った後、そこには変化したカカシの姿が。

「わ、わんちゃん!!」

ひょこっと生えた髪の毛と同じ色の耳と、ゆらゆら揺れる同じ毛並みのしっぽ。
感動でわなわな震える手で思わずカカシの頭を撫でた。

「すごいすごい!ほんとに頭から生えてる!」
「なめてもらっちゃあ困るね」

ふふん、と自慢げにしてるカカシの頭を、よしよし、と撫でてやる。
その間にもふさふさした尻尾が嬉しそうに揺れている。

「・・・かわいすぎですよ〜!」

わしゃわしゃと頭を撫でる手が止まらない。

カカシはまんざらでもない・・・というよりむしろ嬉しい。
は犬として頭を撫でてるのだろうけど、カカシ本人にとってはなんだってかまわない。
本能的に尻尾を振ってしまう。

「わんちゃんて、頭だけじゃなくって顔とか首も撫でると喜びますよねっ」

すっかりカカシを犬として扱い始めた
頭を撫でていた手は、すりすりとカカシの頬や首筋を撫で始めた。

「はは、くすぐったいよちゃん」
「だってこんな尻尾ゆらゆらしてて・・・カカシさんだって嬉しいくせに」
「ん?んー、そうねぇ」

なんてはぐらかしても、尻尾は素直に大きく揺れる。

「あは、ほら、かわいい〜」

ゆらゆら揺れる尻尾をふわりとは掴んだ。

「!」

その瞬間、びくりとカカシの肩が震えた。
それに気づかなかったは、毛並みに沿うようにスススーと撫で上げた。

「・・・ッ!ちょ、ちゃ・・・ん!」

の手が尻尾を撫でるたびに、なんだかゾクゾクと背筋が震える。

それはまるで・・・・。

「ふふ、気持ちいいですか〜?よしよし〜」

幸い気づいていないのか、は尻尾から手を離し、カカシの頭を再び撫でた。
けれどさっきので変な気分になってしまったカカシは、そのの手つきでさえ反応して生唾を飲んでしまう。


ちゃん・・・」

ぐい、とに身体を寄せ、その目を見つめた。
近づいたことによって、効きすぎるカカシの嗅覚がのにおいを感知し、よけいにおかしな気分になる。

「カ、カカシさん・・・?!」

急に目の前に近寄ってきたカカシにドギマギし、目を泳がせる
頭に着けたウサギの耳が可愛く揺れる。

「・・・・」

カカシはただの目をじっと見つめたままで、はえっと・・・、とカカシを引き離そうと両肩に手を置いた。

にしてみれば、突然カカシが目の色を変えて近寄ってきたようなもの。
キスをするわけでもなく、ただじっと見つめられている。

「カカシさ・・・きゃ!」

ぐっとカカシの肩を押そうとした瞬間、逆に押し倒されてしまった。
上から覆いかぶさられたが、またカカシはを見つめたまま動かない。

ただ、尻尾だけがゆらゆらと揺れ、時折頭の耳がぴょこっと動く。

上から見下ろすウサギ姿のに、すぐにでも食べてしまいたいと思ってしまった。
もしかしたら犬じゃなくて、オオカミに変化をしてしまったのかもしれない、そんなことを思うくらいのウサギ姿には魅力が溢れていた。

「もしこんな大型犬に抑え込まれたらウサギちゃんは身動きできませんね」

さっきまでの緊張はどこへやら、カカシのいぬ姿には頬が緩んでしまう。
まるでそれが合図だったかのように、カカシはもっとに近づいた。

「!」

キスをするのかと思いきや、鼻が触れ合うところでストップ。
そのままペロッと唇を舐められた。
そんな行動もまるで犬のよう。

カカシの今の感じ、なにかに似ている。

あぁ、そうか。


「”おあずけ”ですね」


の言葉にカカシはニヤリと笑った。

「従順な犬でしょ?」

その言葉にもつい笑ってしまった。
が、すぐにカカシの口づけによって塞がれてしまった。

「んっ・・・おあずけ、じゃないんですか?」
「これは味見だからいいの」
「ふふ、わがままなわんちゃんだなぁ」

くすくす笑うに、再びカカシは口づけた。
それはさっきまでの軽い口づけではなく、深くて甘いそれだった。

「ぁ・・・・ん・・・」

するするとカカシの手が器用に動き、上に来ていたシャツも下着も簡単に脱がされてしまった。
一度ぽろりと落ちてしまったウサギの耳も、ご丁寧に付け直された。

カカシの熱くなった手がの上半身を縦横無尽に撫でまわし、胸の膨らみを捉えた。
ふわりと優しく包み込み、柔らかく形を変えるその感触を味わった。

その間にも口づけを交わしており、口の間からの切なげな声が漏れた。

もう一方の手ではのズボンのボタンを外し、ずり下ろそうとした。
が、あることにカカシは気付いて口づけを中断した。

「珍しくベルトまでしてるって思ったら、しっぽなのね」
「変化の術は、できませんから・・・」

脱がせたいが、尻尾を外してしまうのも惜しい。
一端、ベルト型のしっぽを外しズボンも下着も脱がせた。

もうなにも身に着けていないの腰に、黒いベルトをゆるく巻き、さきほどのように尻尾を付けた。

「うん、いいね。最高にエロい」
「は、はずかしいですよ・・・」

カカシの視線から逃れるように顔を押さえるの頭を優しく撫でた。

「カカシさんにだって、しっぽあるくせにぃ・・・」

恥ずかしそうに顔を真っ赤にさせているが、視界の端でゆらゆら揺れていたカカシの尻尾を優しくつかんだ。

「あ、こらっ」

カカシがやめさせようとする前に、が尻尾を愛撫するように優しく撫でた。

「は・・・・ッ、それ、反則だってちゃん」
「しっぽ、気持ちいいんですか?」

途端に顔を快感にゆがませるカカシに胸を高まらせながら、はその手を止めなかった。

「なんか・・・すごい変な感じ・・・」
「ふふ、かわいいですね」

先端を親指でさするように撫でると、カカシの肩がぴくりと震えて何かに耐えるように眉に皺を寄せた。

「ッ・・・!こら、もうだーめ」
「え〜」

渋るの手からようやく尻尾が解放された。

「まったく。しつけがなってないウサギちゃんにはお仕置きしなきゃねぇ」
「・・・えっ?」

途端に慌てるにカカシはニヤリと不敵な笑みを浮かべ、の両膝を立たせ、ぐいっと両足を開かせた。
突然のことで反応できてないをいいことに、その隙に足の間に顔を埋めた。

「カカシさん!!や、やだ!そんなところ!」

慌てて上半身を起こして足を閉じようとするが、カカシの力には勝てない。

「言ったでしょ?お仕置きだって」

そう言って、の熱をもったそこに舌を這わせた。

「やっ、あ、カカシさん、や、だめ!」

わざとに聞かせるように、まるで犬が水を飲むように水音をたててそこを攻めたてた。
最初はカカシをどかせようと頭に手をかけていたが、いまや力もぬけてただ手を添えているだけになってしまった。

「んっ、カカシさん、まって、あっ!あ、そこだめ!だめっ・・・!!」

ぷくりと主張したところを重点的に舌で愛撫され、ついには軽くイってしまった。

「はあ・・・もう、カカシさんのバカ・・・・」
「でも気持ち良かったでしょ?」

ようやく顔を見せたカカシの言葉に、ふいっと顔をそらした。

「それは・・・その・・・」
「じゃあもっと気持ち良くなろっか」
「えっ?わあっ!」

がなにか言う前に、カカシはぐいっとの体を動かして四つ這いにさせた。

「う、うしろから?」

いつもと違ってカカシの姿が見えないことに少しだけ不安を覚え、後ろを振り返る。
するとカカシは妖しく笑い、優しくの頭を撫でた。

「だってこの方が・・・・いや、なんでもない」
「ええっ、気になりま・・・んっ、カ、カシさん・・・」
「いーの」

の言葉を遮って、ぐぐぐっと自身を挿入した。

上から眺めるの後ろ姿はきちんとしっぽまで見えて、そしてゆらゆら揺れる耳がなおさらカカシを煽って欲情させる。

たまらずの腰をつかんで、ゆっくりと動き始めた。

「あっ、ん、カカシさ、ん・・・」

さっきイったばかりで、上半身を支える腕に力がうまく入らない。
カカシに揺さぶられるたびに、かくん、と肘が折れてしまう。
けれどそんなことに構わずカカシはを揺さぶり、ほわほわと尻尾を触ったりしている。

ついに力が入らなくなり、なんとか肘で身体を支えた。
姿勢が変わったことによりまた違う角度で突かれることとなってしまい、よけいに刺激が強くなった。

「んっ!あ、あっ、カ、カシさん」
ちゃん・・・」

の上にのしかかり、ぐいっとを振り向かせて口づけた。
腰をつかんでいた手を伸ばして、カカシの動きに合わせて揺らめく胸の膨らみを包み込んだ。

「っ!ん、ふあ、は・・・ぁ・・・!!」

きゅう、と中が蠢き、に余裕がないことを知る。
一度唇を解放すると、再びは肘を張って身体を支えた。

「あっ、はあ、カ、カシさん、もう・・・」
「うん、俺もイきそう」

そう言ってカカシはの右腕を後ろへと引っ張った。

「やっ、ああ、奥に・・・!」
「はあ・・・ィきそ・・・」
「カカシさん、あっ、イく、あ、あああっ・・・!!」

先にが達し、後ろに引っ張られた手にカカシのしっぽが触れ、無意識のうちに掴んでしまった。

「!!!・・・ッッ!」

カカシはぞくぞくっと背筋を震わせ、自身を弾かせた。

「んっ!はあ・・・あ、あ・・・」

奥に勢いよく当たるその感覚に、はびくっと身体を震わせた。


息を乱しながらくたりと身体を弛緩させ、床に倒れこんだ。
カカシも自身を抜き、後を追うようにの横へと倒れた。

「最後の最後にしっぽはダメだって」
「つい・・・手の近くにあったから・・・」

腕を伸ばしてすぐ横のカカシの頭を撫でた。
ぴょこぴょこと動く犬の耳が、何度見てもかわいらしい。

カカシは心地よさそうにの手を受け入れ、お返しと言わんばかりにを抱きしめた。

「わんちゃん、かわいいですね。カカシさんに似合ってる」
「ま、ちゃんのウサギ姿には負けるけどね」

そう言うと少し照れたようには笑った。

「あっ、そういえばさっき言いかけたのって?」
「えー聞きたい?」
「気になりますもん・・・」

頭を撫でる手を止め、真剣にカカシのことを見つめた。
そんなに聞きたいなら、と少し渋ったがカカシは口を開いた。

「俺たちこんな格好だし、あの体位だとなんだか交尾みたいだなあって」
「・・・・・」

は目をぱちぱちさせたあと、かああ、と顔を真っ赤にした。

「こ、こう・・・び・・・・って」
「それに後ろから見るちゃんの後ろ姿がねぇ、またそそられるのよ」
「も、もういいです、言わないでいいです・・・!」

恥ずかしくて、まだしゃべろうとするカカシの口を手で覆った。
真っ赤なが可愛くてニコニコしていると、ようやくが手を外し、少し怒ったようにカカシを軽く睨みつけた。

「せっかくカカシさんの弱点見つけたけど、もうこの格好は封印です」
「えー、いいじゃない。今度はワンピースも来たちゃん見てみたい」
「・・・・えっちなことしないなら、いいですよ」
「んー、自信ないなぁ」
「じゃあダメです!」

つん、とむくれるが可愛らしくて、ついからかってしまう。

「そうだ、じゃあいいこと教えてあげる」
「いいこと・・・?」

少し興味を持ったの耳元に口を寄せる。


「ウサギって、年中発情してるんだって」


カカシの言葉に、はますます顔を真っ赤にして目を丸くさせた。


「もう、絶対やりません!!!」




こうしてのウサギコスチューム一式は棚の奥底へと封印された。


けれど時折、カカシに犬へと変化してもらうことを頼んでるんだとか・・・。







Lover TOP
Novel TOP