「あれ?また爪きってるの?」

「んー」

ぱちん、ぱちん、と小気味よく音が響く。
背中を丸めて爪を切るカカシの背中に、どさっとなだれ込む。

細長い指を一本一本、きれいに爪を切っている。
さほど伸びてない・・・というよりつい最近も爪を切っていた。

「そんなに爪のびるの早いの?」

「そういう訳じゃないけど」

「爪が伸びるのが早い人はエロいってよく言うよね・・・」

「なーによ、俺がエロいって言いたいの?」

「自覚なしですか!」

くすくすっと笑いながらカカシの綺麗な指に触れる。
男のくせに、忍者のくせに、どうしてこんなきれいな指をしてるんだろう。

ぱちん、とまた爪が切られる。

「爪切るの、好きなの?」

「やけにくいつくねぇ」

はは、と少し困ったように笑うカカシ。

「だって、しょっちゅう切ってるから」

「まあね。伸びてたら痛いでしょ?」

「痛い?」

「うん、中とか傷つけちゃうかもしれないし」

「なか・・・」


なんのことやらわからなくて、ぽかん、と頭の中で考えてみる。
すると突然、ニヤリと笑ったカカシの腕が伸び、ぐわっと腰を掴んで引き寄せた。

「わあ!」

バランスを崩してどさっと床に寝転んでしまった。
それをいいことに、カカシが上から覆いかぶさってきた。

「なんなら、爪が伸びてるのと伸びてないの、試してみる?」

「!!!」

ようやく何のことかわかって、一気に顔が赤くなる。

「やっぱりエロいからすぐ爪が伸びるのよー!!エロカカシー!」

「ひどいこと言うじゃないの」

まだ文句を言い足りないのに、いつものように口づけられて口を塞がれてしまった。

「またすぐ爪が伸びちゃうな」

二人してくすくす笑って、そして再び口づけた。





モドル