ようやくに、新しい仕事の書類が届いたらしい。

ウキウキとした様子でそれを教えてくれるに、カカシも笑みがこぼれた。
どのような仕事内容なのかを聞いても、まだそれは教えてもらってないのか、は困った顔して笑っていた。

「たぶん、この日に教えてもらえるんじゃないですか?」

綱手の元へ行く日付が書かれた書類をひらひらさせて、割と雑なんですね、と笑っていた。



そんなこんなで、は決められた日時に綱手の元へと訪れた。

一方カカシは、そんなのことを見送ることもできず、無遠慮に入れられた高等任務へと出かけて行った。

長期というわけではないのだが、少し長い間木の葉の里へは戻れなかった。

「いまなにしてるかな・・・」

野営中、夜の見張り番の時にぼんやり夜空を眺めながらを想う。

そういえば仕事が始まったらしいから、疲れて眠ってしまっただろう。
仕事がどんな感じだったか、感想を聞いてみたい。
楽しそうに笑いながら話すが頭に浮かぶ。

の声が聞きたい、柔らかな肌に触れたい。

もうすでに任務が延長することが決まってしまった。
それが余計にを恋しく思わせる。


「カカシ上忍〜、見張り交代です」
「ん、はーい」



*    *    *    *




『はあ、あっ、カカシさ、ん!や、だめぇ』


『だめ、イっちゃう、カカシさんっ、あっ!』


『カカシさん、好き、好きぃ、ああっ、カカシさん』





「はっ」


イイところで目が覚めた。


「はあ〜・・・夢か・・・」

恐る恐る毛布を捲る。
なんとかセーフだったようだ。

「カカシ上忍、どうしました?」

見張りで起きていた仲間が不思議そうにカカシを見つめていた。

「いや、なんでもない。そろそろ出発しよう」

ふぅ、とため息をついて、おさめるものもおさめてから出発の準備を始めた。


それからというもの、頭の中では悶々と夢の中の出来事が占めていた。

さっさと帰ってすぐさまを抱きしめたい。
そのままベッドに押し倒して・・・

それで・・・


「はぁ〜もう〜・・・」

煩悩まみれの頭をがしがしとかいた。
今は任務に集中しなければ。

「カカシ上忍、どうしました?」
「なんでもないって」

仲間に八つ当たりして、頭の中のモヤモヤを追い出した。

「さっさと終わらせて早く帰ろう」
「えぇ、そうですね」



結局のところ、二日遅れで里へと戻ってこれた。

適当に報告書を提出し、家へ戻れた時にはもうすでに深夜0時を超えたころ。

頭の中はもうでいっぱいだった。

自然と足がの家の方へと向かう。
が、ふと夜空を見上げて思った。

もう深夜だ。
さすがにこの時間に押し掛けるのは迷惑だろう。

今まで長い間、我慢できた。
あと一晩だけ我慢すれば、心置きなくを堪能できる。

ここはぐっと我慢して、踵を返して自宅へと帰ることにした。


「ん?」

玄関の扉の前で、ふと室内の気配に気が付いた。

が来ている。

急いでドアを開けると、室内は真っ暗。
もしかして、と寝室に向かうと、そこには月明りに照らされながらベッドの中ですやすや眠るがいた。

ちゃ〜ん、ただいま〜」

ひそひそと小声で話しかけ、その頬に口づけた。
それでも眠り続けるに、なんならこのまま・・・とよこしまな考えが頭をよぎる。

いよいよ我慢の限界だ。

身に着けていた忍具を静かに下ろし、額当ても外して、ベストも脱ぐ。

それじゃあ遠慮なく、と再びに口づけようと顔を寄せたとき、机の上のなにかが視界の端にうつった。

「これって・・・」

机に近寄り、その正体を見つけた。
暗号化された数字が書かれた書類や、なにかをメモしたノート、巻物や白紙の任務表までも揃って机の上に置いてあった。

きっとここで勉強していたのだろう。
すやすや眠るの寝顔を見ていると、なんだかここで手を出すのは申し訳ない気がしてきた。

慣れない仕事をこなし、勉強までしてきっと疲れてるんだろう。


「仕方ないか」


一度スイッチの入りかけた頭を落ち着かせるために、浴室へと向かった。
考えてみれば、きちんと風呂に入るのも久しぶり。
汚れた体のままに触れなくてよかったと、改めて感じる。


浴室のドアを開けると、ふわりとの香りが充満していた。

「はあ〜・・・」

がさがさと頭をかいて、隙あらば昂ろうとする自分をなんとか落ち着かせる。

いや、もういっそこのまま・・・

自分の右手を見つめる。
寝てるを起こすのも申し訳ないし・・・。


「いやいや・・・」


さすがにここまできて自分でするのは虚しいものがある。

だったら本人が目の前にいるわけなのだし、明日の業務に支障ないくらいならも許してくれる・・・・か?

「・・・・」

右手でシャワーのコックを捻り、頭からお湯をかぶった。
おかしなことを考えるのはもうやめよう。


火照った体で風呂につかる気がしなかったため、シャワーで汚れを落としてすぐに浴室を出た。

「あ、しまった」

さっきはそれどころじゃなかったため、パジャマも下着も寝室から持ってくるのを忘れてしまった。
仕方なくタオルを腰に巻いて、が眠る寝室へと向かった。

そういえばパジャマはベッドの上に置いといたはず。
いまが寝てるということは。

「・・・ウソだろ〜」

寝ているを覗きこめば、なぜかしっかりとカカシのパジャマに頬を寄せて寝ていた。

そのかわいらしい行動にカカシの理性は崩壊寸前だった。

なんとか正気を保ちつつ、を起こさないようにゆっくりとパジャマを取ろうと、少しだけ引っ張ってみた。

「ん・・・」

やけに艶っぽい声を出しては、パジャマを抱えたままベッドサイドに立つカカシの方を向くように寝相を変えた。

「・・・!」

別に見る気はなかったが、横を向いたおかげで服の隙間から寄せられた胸の谷間がしっかりと覗いていた。

「はぁ〜・・・」

堪えきれず、つい大きくため息をついた。
できるだけ見ないように布団をかけ直してやろうかと思ったが、もうカカシはいろいろ限界。
布団に伸ばした腕は危うく引きはがそうとしてしまいそう。

相変わらず呑気に眠り続けるを目の前に、腰に巻いたタオルの下から、ぐぐっと自身が主張し始めている。

乾かしていない髪から、つぅっと頬にかけて水が滴った。
ぽたりと床にしたたり落ちたのを合図に、カカシの中で何かが吹っ切れた。

上半身を寄せて、の少し開いた唇へ口づけた。
は寝てしまっているため、一方的にカカシが口づけを味わった。
そのまま襲ってしまいたかったが、すぐにから離れた。


部屋から出てリビングのソファへどさっと座り、腰に巻いたタオルの隙間から自身へ手を差し入れた。
すでに我慢を諦めたそれはそそり立っており、指先が触れた瞬間びくりと背筋が震えた。

目をつぶると、いつぞやかの夢に現れたの乱れた姿が思い出される。

「は・・・」

何度か擦っているうちに先端からとろりと溢れ出したものを潤滑油がわりに、自身を包み込んだ右手を上下に動かした。

「はあ・・・ちゃん・・・」

今までののことを思い出すと、自然に右手に力が入る。


『カカシさん、気持ちいい?』


自身を口に咥えて、上目づかいでカカシを見つめる
その小さな口を一生懸命あけて必死に奉仕する姿は、何度見ても堪らない。

『カカシさん、ほしい・・・』

うるうると瞳を潤わせ、欲望に忠実な表情でカカシを見つめる。

『あっ!・・・ん、おおきい・・・』

自身を挿入すれば、眉間にしわを寄せて切なげな表情を浮かべつつも、悦に入った声があがる。

『あ、はあ・・・きもちい、カカシさん』

瞳の奥のが乱れてくるにつれて、次第に右手の動きが早まった。

「はあ・・・く・・・」

そろそろ限界が近づいて、熱い吐息がもれる。
頭をソファにもたれかけさせ、眉間にしわが寄る。


『はあ、あっ、カカシさ、ん!や、だめぇ』


『だめ、イっちゃう、カカシさんっ、あっ!』


『カカシさん、好き、好きぃ、ああっ、カカシさん!』


任務中、何度も夢みたあの姿がよみがえる。
妄想の世界のも、顔を切なげに歪ませて限界寸前。

「っ・・・は、・・・」

いい加減、出してしまおうと上下に動かす右手をそのままに、傍らのティッシュ箱に左手を伸ばした。

ティッシュを数枚引こうと、目を開けて横を向いた。


「!!!」


「あ・・・あの・・・!えと・・・!」


リビングの入口に、月明りだけでも分かるくらい顔を真っ赤にしたが慌てたように立っていた。

「あああの、忍具が置いてあったからカカシさん、帰ってきたと思って・・・、
 で、でもカカシさんいないから、お風呂かなって思ったらリビングから声、きこえて・・・」

かああ、と耳まで赤くして、気が動転してるのかぺらぺらと口が回る。

一方カカシは固まったようにすべての動きが止まったまま、大きく目を見開いてを見つめていた。

あまりに集中しすぎて、の気配にまったく気が付かなかった。

はっとして下半身に目をやると、腰に巻いていたはずのタオルはいつのまにかはだけていて、それを覆い隠すものは何もなかった。
さすがに恥ずかしくなり、慌てて手を離してタオルをかぶせた。

「ご、ごめん」

もう一体なにに謝っているのかわからないが、自然と口から出た。

「いや、あの・・・わたしこそ・・・ごめんなさい」

ぺこっとは謝って、その場を去ろうと後ろを向いて一歩踏み出した。
が、そのまま俯いて動かなくなってしまった。

「?」

きっとそのまま行ってしまうと思っていたため、どうしたんだと少しカカシは焦った。
もしかして、なにか言われる?

「・・・・・あの」
「は、はい」

頭が真っ白なカカシは思わず敬語になってしまう。
は俯いたままゆっくり振り返った。

「お、お手伝い・・・、しま、しょうか・・・」

そのまま暗闇に消え入ってしまいそうなの声に、カカシは目をぱちくりさせた。

「・・・オネガイ、シマス・・・」

頭が真っ白だが、反射的に返事をすると、は小さく頷いて、カカシの元へ近づいてきた。

気付いたらはカカシの脚元に跪いていて、かぶせていたタオルの上に手を添えていた。
さきほどまで昂っていたそれは、驚きによってすっかり萎えてしまっていた。

の手がゆっくりと撫でるように動き始め、それだけでびくっと自身が震える。
撫でられているだけなのにすぐ元気を取り戻した自身を目の前にし、はタオルをはだけさせた。

直に自身を手に取り、上下に動かし始めた。
さっきと同じ動きのはずなのに、にしてもらっているというだけでけた違いの快感がカカシを襲う。

ちゃん・・・」

自身を見つめていたの名前を呼べば、上目づかいにカカシのことを見上げた。
それだけでぞくぞくと背筋が震える。

「カカシさんの、見ちゃった。これで、おあいこ」

えへへ、と恥ずかしがりながら笑うに、どきんと胸が高鳴った。

「ね、ちゃん」

は自身を愛撫する手はそのままに、なんです?とカカシを見つめた。

「無理はさせないから、さ」

手を離させて、腕を引っ張って立ち上がらせた。

「・・・・」

否定も肯定もせずにもじもじするのズボンに手をかけ、ずり下ろした。
そのまま足の付け根に指を這わせ、ぬるりと中へ挿入した。

「あ・・・」

かあ、と恥ずかしそうに手で顔を覆った。

「すごい濡れてる」
「や、言わないで・・・」

そこはもうしたたり落ちそうなほど潤っていて、すんなり指が入って行った。
だったらもういいか、と指を抜いて、の腰を導いてカカシの上に跨らせた。
は恥ずかしがりながらもカカシのされるがままに動かされ、ぎりぎり挿入直前の体勢で止まっていた。

「挿れていい?」

すっかり欲情した顔を浮かべたカカシの言葉にはこくん、と
肯いた。
の腰に手を添え、ゆっくりと下ろさせた。

「あ・・・んん・・・!」
「くっ・・・」

ようやく味わえた甘美な締め付けに、カカシは眉をひそめた。
はカカシの首に手を回し、ぎゅうっと抱きついた。

「やっぱちゃんがいい」
「わたしも、カカシさんじゃなきゃダメです・・・」

どんなに自分で自分のいいところを探っても、愛する人からの刺激には勝てない。

「動くね」

の返事を待たずにカカシは腰を動かし始めた。
も無意識のうちに自分で動いており、二人の結合部からは卑猥な音が鳴り響いた。

「カカシさん・・・」

カカシに抱きついていたが身体を起こし、カカシに口づけた。

「っ、ふぁ・・・は、あ・・・」

舌を絡ませながら口の中で喘ぐに、カカシはぞくぞくと背筋が震える。
とっくに限界なんて超えそうなのに、もっとを味わいたくて耐え続ける。
それでも限度はある訳で。

「はあ・・・ごめん、イきそう」
「んっ、いいですよ、我慢しないで」

優しくカカシの頭を撫で、にっこりとほほ笑んだ。
カカシはに軽く口づけ、ぐいっと腰に手を添えて奥深くまで貫いた。

「あっ!!」

くんっと反り返るの背を支え、終わりを目指すように激しく動かした。

「カ、カシさん、や、あっ、はげしい・・・!」
「く・・・はあ、・・・」
「あっ、あ、イっちゃう、や、だめ!」
「あーイく・・・」

瞳を潤わせて、切なげな表情を浮かべるが愛おしい。
その顔を何度夢みたことか。

の中の動きがカカシを攻めたて、頭の中がちかちかとスパークする。

「は・・・・・・!!」
「・・・っ!!」

どくどくっとの中に欲望を解き放った。
いつものようにチャクラで避妊術を施すのを忘れてしまいそうになるほど、大きな快感がカカシを襲った。

くたりと弛緩したは、息を乱しながらカカシに抱きついた。

「たくさん、でましたね」

とろけたような声でつぶやくの言葉に、なんだか恥ずかしくなった。

「そりゃあ・・・ねぇ。長い間我慢してたから」
「ふふ、さすがカカシさん」

カカシの耳元でくすくす笑うの声がくすぐったい。

「そういうちゃんこそ、一人でしなかったの?」
「えっ?!し、してませんよ!」

ガバッと起き上がったは、少し怒ったようにカカシの胸をぺちんと叩いた。

「ま!あんなになるくらい我慢してたってことだもんねぇ」
「そ、それは・・・その・・・」

途端に目を泳がせて恥ずかしそうにもじもじする

「ん?なに?」
「カカシさんが、わたしの名前呼んでくれてたから嬉しくて・・・」
「あ・・・」

目をつぶって、妄想の中のを堪能しているとき、無意識のうちに名前を呼んでいたようだ。

「そりゃ久しぶりのカカシさんってこともありますし、その・・・カカシさんがしてるの見てたら変な気持ちになっちゃったってのもありますけど・・・」

相変わらずもじもじするに、挿れたままの自身に再び血液が集まり始めた。

「ん・・・あ、あれ、なんか・・・」

すぐに気が付いたが、少し戸惑い気味にカカシを見つめた。


「まだまだちゃんを味わいたい」


の頬を撫で、口づけた。


それから君は、潤わせた瞳をこちらに向けて・・・・










Lover TOP
Novel TOP