カカシが長期任務に出かけて、2週間が経過した。

定期報告が届いている綱手からそろそろ帰ってくるはずだと言われ、わくわくしてカカシの家へと向かった。

なのに。


「・・・・・帰ってこないな〜」

まだかまだかと待ち続けて、すっかり夜も更けてしまった。

綱手から特に連絡もないから、なにかあったという訳ではなさそう。

家主不在のまま勝手にお風呂に入り、勝手に布団にも潜りこんでいた。
このまま寝てしまおうかと思ったが、期待で胸が膨らんだ状態では眠気も訪れない。

「ん〜・・・」

ぐいっと伸びをすると、ふと枕元に綺麗に並べられている本に目がいった。

イチャイチャパラダイス上、中、下

そういえばこの本、しょっちゅうカカシが読んでいる。
待機所で出会った時も、コーヒーを片手にこのシリーズを読んでいた。

カカシが読んでいるのだからきっと難しい本に違いないと、読もうとは思わなかった。
が、特にすることもないし、適度な時間つぶしになるだろうと初めて手に取ってみた。

「あれ」

表紙を見る限り学術書やその類のものではなさそう。
なーんだ、とページをめくり、読み始めた。



「・・・・・ふおお・・・」

最初はただ、恋愛小説だと思っていた。
だんだんと読み進めていくうちに、大人な内容になっていく。

なんてものをあの人は平然と読んでいるんだ、と思いつつもその内容に目が離せない。
結局、その章を一気に読み終えてしまった。

「はあ〜・・・」

ぱたん、と本を閉じて枕元へと置いた。
頬に手を当てると、熱くなっているのに気が付いた。
頬だけではなく、悶々と身体が火照っているのがわかる。
冷えた手を身体に這わせて冷やしていく。

「・・・・」

目を閉じてみれば、カカシの布団に包まれていることで、まるで優しくカカシに抱きしめられているよう。

唇を撫でれば、カカシにキスされているような気分になる。

「はあ・・・」

ズボンの中に手をさし入れて、さっきからうずいてばかりの部分を下着の上から触れてみる。

「わ・・・」

そこは、さんざんカカシに愛撫されたときのようになっていた。
自分で触れるだなんて、経験したことない。
でも今は、あんな本を読んで身体が火照っている上に、カカシのにおいが余計に気持ちを高ぶらせる。

おそるおそる、少しだけ強めに下着の上から撫でてみる。

「ッ・・・」

いつものようにカカシの巧みな動きとは程遠いが、自分で快感を生み出している。
なんだかその背徳感も、昂る気持ちを後押しする。

上から撫でているだけでは、満足できない。
しだいに大胆になる指は、お腹を撫でて茂みを通過し、ついに直接触れてしまった。

「んっ・・・」

本を読んでいるとき、つい自分とカカシを重ね合わせてしまった。
だからきっと、こんな変な気持ちになってしまったに違いない。
二週間以上、カカシを感じていないのだから、仕方がない。

言い訳をするように、頭の片隅で考えながら、抑えきれない欲望が膨らんでくる。
すっかりと濡れそぼってしまった割れ目に指を沈め、頭ではカカシの指の動きを思い出していた。


カカシさんは、このあとどうやってたっけ・・・
どうやって、気持ちよくしてくれるんだっけ・・・


冷たい指が、熱い中へと入りこむ感覚が、ぞくりと背筋を震わせる。
中を確かめるように指をゆっくりと動かせば、ある一点でびくっと電撃が走った。


ここ、いつもカカシさんが触ってくれるところだ・・・


おそるおそるその部分を撫で上げれば、頭がしびれるような、そんな感覚がを襲った。


気持ちいい・・・


だんだんと自分のやりたいように指を動かせるようになってきた。
上にかけていた布団も、いまやベッドからなだれ落ちてしまっていたが、そんなことも構わず快感の波に溺れていた。

「はあ・・・・んっ・・・」

気持ちいい、次は、次は・・・

つぷっと試しに1本だけ指を深く挿れてみる。
そのまま、何度かピストンしてみれば、先ほどとはまた違う快感が生まれた。

「ん、はあ・・・ふあっ・・・」

指が動かしやすいように、邪魔なズボンも下着も脱いでしまった。
恥ずかしい。
けれど、指は快感を覚えて大胆に動かしてしまう。

1本じゃ足りないと、もう1本挿しこめば、途端に増えた圧迫感がカカシのことをよみがえらせる。
まるで、カカシに抱かれているような気分。
そう思うと、より一層気持ちの高ぶりに拍車がかかる。

「は、あ・・・きもちい・・・」

耳を塞いでしまいたくなるような卑猥な音が、誰もいない部屋によく響く。

気持ちいい。
気持ちいいけど、やっぱり物足りない。


「カカシさん・・・・」


どんなに自分で快感を呼び起こしても、自分では満たされない。


「カカシさんのが、ほしい・・・」


愛するカカシに抱きしめられながら、見つめ合いながら、二人で快感の波に溺れたいのだ。



「おまたせ」

「!!!」


突如、目の前に覆いかぶさるようにカカシがドロン、と現れた。

カカシの姿に驚いて慌てて指を抜こうとしたが、すでにその手はカカシの手によって押さえつけられていた。

「カ、カカシさん?!!や、まって!」
「ほんとはもっと見ていたかったんだけどねぇ」

離そうとするの力とは反対に、カカシはの指ごと動かし始めた。

「んっ!や、やだ、カカシさん、やだっ」
「2本も挿れちゃって。気持ちよかった?」

嫌がるをそのままに、自分の装備を外しつつの指でピストンを続けた。

「やだ・・・カカシさんのが、いい・・・」

ほぼ涙声でカカシに訴えれば、ようやくカカシの手が離れた。
すぐに指を抜いて、なにか言葉を発しようとする前に口づけられた。

「ごめんね、あまりにもちゃんがエロすぎたから」
「カカシさんの・・・バカ・・・」

やけに嬉しそうなカカシは、もう一度口づけた。
先ほどのようなものではなく、だんだんと深くなる口づけにも積極的にカカシを求めた。

その隙にカカシは自身を取り出し、の十分に溶けた泥濘へと沈めた。

「んん・・・!!」

挿れた瞬間にブルッとの身体が大きく震え、ぎゅうとカカシの肩をつかんだ。

「挿れただけでイっちゃったの?」

くすりと意地悪く笑うカカシに、は顔を赤くして、小さく頷いた。

「だって・・・待ちに待ってたカカシさんですから・・・」

えへへ、と照れたように笑うに、カカシの胸が大いに高鳴った。

「もう、そんなに煽らないでよ」

優しくの頭を撫で、ゆっくりと腰を動かし始めた。

「んっ・・・ねえ、カカシさん」
「なあに?」
「おかえりなさい」
「ただいま」

嬉しそうに微笑むに、カカシも優しく笑みをこぼした。

目の前にいる相手が、愛おしくて愛おしくてたまらない。
快感で切なげに歪む表情も、相手を見つめる愛おしげな瞳も、すべてが心を満たしていく。

「カカシさん、好き、大好き」
「うん、おれもちゃんのこと大好き」

たまらず言葉にして不器用に想いを伝えても、愛おしさがとめどなく溢れ出て止まらない。
ゆさゆさとカカシに揺さぶられながらも、腕を伸ばしてその身体を抱きしめると、カカシも優しく抱きしめ返した。

「ああっ、カカシさん、気持ちいい、カカシさん」
「はあ・・・ちゃん・・・」

頭が真っ白になって、なにも考えることができない。
ギシギシと音を立てるベッドや、切羽詰まった息遣い、そして体同士がぶつかり合う音が、互いの耳を犯す。

「んっ、あ、あっ、イっちゃう、カカシさん、はあ、イっちゃいそうっ」
「いいよ、俺もでそう・・・」
「うん、ああっ、イく、カカシさん、あっ、あっ、ぁあっ!!!」
「はあ、・・・はぁ・・・くっ・・・!」

ぎゅう、と抱きしめ合いながら二人は達した。

荒く乱れる呼吸が部屋に響き、ドサリとの横にカカシは倒れこんだ。


「カカシさん」

まだ少しだけ息を乱しながらも、カカシの方へ身を寄せた。

「あの・・・えっと、いつから・・・」
「んー、いちゃパラ読み終えたあたりかな」
「えっ・・・?そ、それって・・・」

あっけらかんに言うカカシの言葉に、とろけた頭を必死に奮い立たせて何をしていたか思い出そうとした。

「そ、そ、それって・・・!!」

かああ、と顔が燃えそうなくらい熱くなる。

それって、最初から・・・


「いや〜、おれも自分でしちゃおうかと思ったけど、あんなこと言われちゃったらねぇ」

「ま、まって、もう何も言わないでください!!」

寄せた身を、今度は引き離して背を向けた。
恥ずかしくて恥ずかしくて、顔から火が出そう。

「えー、なんでよ。いいじゃない。おれはちゃんのいろんなところが見れて嬉しかったよ」

ぐいっと肩を引っ張られて、ころんとカカシの方へ転がってしまった。

「今度はカカシさんがしてるのこっそり見るんだから・・・」
「一人でするくらいなら、ちゃんのこと押し倒しちゃうもん」
「う・・・」

確かに、と悩んでいると、隣でカカシがにやりと笑った。

「そんなに見たいのなら・・・」
「わわ!ま、まって!」

ぐい、と起き上がろうとするカカシを必死に押しとどめた。

「見たいんじゃないの?」
「いや、えっと、心の準備が・・・ていうかなんか・・・」
「ん?」
「また変な気持ちになっちゃうから・・・」

もじもじと答えれば、カカシが急に覆いかぶさってきた。

「わあ!」
「そうやって無自覚に煽るの、ずるい」

ちゅ、と口づけを落としたカカシは、いまだ着ていた服をすべて脱ぎ捨てた。



「さ、第2ラウンドといきますか」








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