ある日の夜のこと。

は任務を終えて自分の家へと帰ってきた。
任務は思ったよりきつくなかったし、明日はお休み。

せっかくだしカカシの家へと行こうかなと思ったのだが、あいにくカカシは同僚との飲み会で出かけているらしい。

重たい忍具を降ろし、忍服もさっさと脱いで浴室へ向かった。



「ふあ〜〜・・・・」

一通り汚れを落としてから温かいお湯につかると、つい声が漏れてしまう。
じわ〜っと体が温まっていく感じに、任務で緊張していた全身の力が抜けた。

「・・・・」

ぼーっと壁についた水滴が伝っていくのを見ながら、ふとカカシのことを思い出していた。


そういえば、誰と飲みに行ったんだろう

ガイとアスマの、いつものメンバーかな
いいな、楽しそう
あ、でもちょっとむさくるしそうだな〜

今度一緒に連れて行ってほしいな

どこに飲みに行ってるんだろう
あんまり居酒屋とか詳しくないから突撃することもできないし・・・

今日はもうこんな時間だし会えないかな


「んむぅ・・・・・」


ぼんやりしていれば、ずっとカカシのことを考えてしまう。
いい加減あがろうと湯船から立ち上がり、風呂場をあとにした。

先日怒られたばかりなので、とりあえず下だけは履いて、タオルを身体にまいて誰もいないリビングへと戻った。

冷蔵庫に入れていたミネラルウォーターを取り出し、ソファへと座った。
ふぅ、と一息ついてぽかぽかに温まった体に水を一口飲み入れる。


「ん?!」

なんだか外が騒がしい。
しかもだんだん近づいてくる。

「これって・・・・」

その気配に気が付いたときには、すでに玄関のドアが大きく開いていた。


「おーーいーー!!カカシが帰ったぞーー!」
「はっはっは!起きてるかー!!」

乱暴に開けられたドアから聞こえてきた声は、カカシではなくアスマとガイ。

「えっあっ!え?!」

このままの姿で玄関に行くのはさすがに、と慌ててなにか服を探すが見当たらない。

「置いてくからなーー!!」

ワタワタしているうちに、玄関から再びアスマの声がして、バタンとドアが乱暴に閉じられた。
どうやら帰ったようだ。

「置いていくってまさか・・・」

結局そのままの姿で玄関を覗いてみる。


「カ、カカシさん!!」


案の定、そこにはカカシが丸くなって横たわっていた。
急いで駆け寄ると、ぷうんとお酒のにおい。

「うわ、飲みすぎ!」
「ん〜〜」

の声に反応してごろん、と仰向けに体勢を変えたカカシ。
額当てはしっかりしているくせに、口布は顎まで下がってしまっている。
頬を赤く上気させ、なんだか楽しそうに笑っている姿に、はつい目を丸くした。

『カカシさんも、酔っぱらうんだ』

なんだか可愛らしい一面を見てしまって、頬がゆるむ。
しかしそのまま放置していたら寝てしまいそうなカカシに気が付き、とりあえず靴を脱がした。

〜・・・・」

先ほどからに向かってゆらゆらと腕を伸ばしながら、寝言のように名前を呼ばれるが、酔っ払いのたわごととはなんとも面白い。

「ほら、中にはいりましょ」

ぐい、と腕を引っ張るが、起き上がろうとする素振りは一切見せない。

「ちょっとー、ここで寝たらさすがに風邪ひきますよ!」
「ん〜・・・・」

なんとも眠たそうなうなり声を聞いて、はだめだこりゃ、とため息。

「さすがに重くて引きずれないしなぁ・・・」

カカシの腕を首に回し、よいしょ、と立ち上がった。
大きく動かされ、ようやくカカシも意識を取り戻したのか、に助けられながらも自ら立ち上がった。

「カカシさん、ベッドまで頑張って歩いてね」

千鳥足のカカシをなんとか支え、よろよろとリビングまでたどり着いた。


あとはもう少し進んでベッドに寝かせれば・・・


よいしょよいしょと運んでいるうちに、何やら胸に違和感を感じた。
はっとして視線を下におろすと、首に回したカカシの腕がの胸をしっかりと包み込み、むにむにと揉んでいた。

「う、うわああ!!」

慌ててカカシの腕を振りほどくと、その衝撃でバランスを崩してカカシもろとも近くのソファに倒れこんでしまった。

「お前ねぇ・・・もうちょい色気のある悲鳴を・・・」
「カカシさん、重い!」

背中からソファに倒れたは、それに引っ張られるように仰向けで倒れこんだカカシに押し倒されていた。

いつもカカシはを押しつぶさないように腕をついていたが、今はどさりと全身がの上に乗っていた。
カカシの肩をぐいーっと押すが、びくともしない。

「んー、いいにおい。お風呂上り?」
「そうですよぅ・・・」

首元に顔をうずめたカカシにそう尋ねられ、素直に頷く。
カカシがくんくんと鼻を効かせてくすぐったいが、自分の力ではどかせられない。

「体もあったかいし・・・ていうか・・・」

何かに気が付いたのか、ようやくカカシは腕をついて起き上がった。

「なんちゅー格好してるのよ」
「あう・・・これは・・・」

怒られる、と身構えるがカカシはただをじっくりと見ているだけ。
それはそれで恥ずかしい。

「お風呂長く入りすぎて、暑くて・・・」

言い訳をぽつりと漏らしてみるが、カカシはまだなにも言わない。
さっきの衝撃でタオルがはだけそうで、どうにかして手で押さえたいけどカカシが邪魔で手が動かせない。

「もう・・・」

ため息交じりに再びカカシが倒れこみ、すりすりとの首元に頭を摺り寄せた。

「だめでしょ、俺のかわいいが誰かに襲われたらどうするの?」
「・・・・ふえ?」

耳元で信じられないような言葉を言われて、驚きと衝撃で心臓が止まりかけた。

「カ、カカシさん?」
「こんな格好して・・・。いくら暑いっていっても風邪ひいちゃうじゃないの」
「あ、あ、あの、なにを・・・」

酔っ払いの言うことだとわかっていてもかああ、と頬が赤くなる。

「それにほら、こんなことされちゃうんだよ?」

カカシの腕が、バスタオル越しにの体を撫でるように動き回る。

「ちょ、カカシさん!」

慌てるをそのままに、勝手に腕を動かして胸の膨らみに手をかけた。

「しかもなにも着けてないし」
「いや、これは・・・ッ!」

言い訳をしようとしたが、こりっと先端を摘ままれてびくりと身体が震えてしまった。
むくりとカカシが起き上がって、相変わらずの酔っぱらったにやけ顔でのことを見つめた。

はエロいんだから、だめでしょ」
「ち、ちが・・・んっ!」

反論しようと口を開けば、また先端を弄られて声が漏れてしまう。
そんなを楽しそうに見つめるカカシは、執拗に同じところを攻め続けた。
そのたびに不可抗力的に身体がびくびくと震えてしまう。

「んっ、はあ、カカシさんやだ・・・」
「またまた〜気持ちいいんでしょ」

タオル越しに弄られて、摩擦でより一層刺激が増す。
耐えようと思っても、自然と身体がびくんと震えてしまう。
カカシはの耳元に口を寄せて、

「ねぇ、シたくなっちゃった」

と、欲情した声で囁いた。
そんな声を耳元で聞かされて、もつい頷いてしまった。

嬉しそうなカカシはそのままに口づけ、むさぼるように舌を絡ませた。

その隙にもカカシの手はの体をなで、はらりとタオルを取り去ってしまった。
は脱がせたものの、自分はまだ忍服を着ていることに気づいて、いまだ身に着けていた額当てやベストを脱ぎ捨てた。

ぷは、と苦しそうにから口を離し、お互い熱にうかれたような目で見つめ合った。

、あったかくて気持ちいい」
「お風呂上がりですから」

つつつ、とカカシの指がの脚を撫で、唯一身に着けていた下着に指をかけた。

「はは、なんで上付けないでこっちだけ履いてんの」
「だって・・・このまえカカシさんに怒られたから・・・」
「ちゃんとおれの言うこと聞いてるんだ。いい子」

誉められたうえに、の頭を優しく撫でるカカシに、またしてもドキンとときめいた。

「ま、脱がせちゃうんだけどね〜」

ふふふ、と酔っぱらった微笑みを浮かべながら、の返事も待たずにずるりと下着を取り払った。

「あ〜あ、ったら恥ずかしい格好」

隠そうとするの手をしっかりとつかんで、思う存分その体を眺めた。

「ちょ、カカシさん!ばか、酔っ払い!手はなしてください!」

これでも多少なりともアルコールが入っていればまだマシだったのかもしれないが、しらふの状態では恥ずかしくて顔から火が出そう。

「はいはい」

ぱっと素直に手を離し、は手と身をよじってその身体を隠した。

「別にもう恥ずかしがることないじゃない」
「そんなこと言ったって・・・」
「ま、恥ずかしがってるも可愛いけどね〜」
「?!」

またしても突然の衝撃発言に、わかってはいても嬉しくなってしまう。
言われたこっちが恥ずかしくなって、にやけてしまう顔を両手で覆い隠した。

「あ、こら。可愛い顔が見えないでしょ」
「うう〜〜、もうそれやめてください〜〜」
「え?なにが?」

指の間から見えるカカシの顔がきょとんとしていることから、ふざけているわけでもなく本当に何の事だかわかっていないよう。
それはそれで、いろんな意味でたちが悪い。

「もう・・・恥ずかしくて死んじゃいそう」
「それは困るなあ」

くすくすと笑いながら、ふと視界の端にうつったミネラルウォーターを手に取り、ごくりと一口飲んだ。
水を飲みくだす喉の動きや、唇についた水を舐めるカカシの姿に、思わずがどきりと胸が高鳴った。
そんなの目に気が付いたのか、ふふ、とカカシは怪しげに笑った。

「なーにそんなに見てるの」
「だって・・・」

カカシの口元へと手を伸ばすとカカシがその手をとり、指先に口づけ、人差し指を銜えた。
ぬるりと指の腹を舐められ、ぞくぞくと背筋が震えた。

「カカ、シさん・・・」
「エロい顔」

指を離してたまらずに口づけた。
しだいに深くなる口づけに、の呼吸が乱れてくる。

カカシの大きな手がの肌を這い、太ももを撫でた。
ようやく指がの熱く熱を持ったところに触れ、びくりと肩が震え、口が離れた。

「なにこれ、すごい濡れてるじゃない」
「・・・・お、ふろあがりだから」
「ふうん」

途端にかああ、と頬が熱くなる。
そんな言い訳が通用しないっていうのもわかっているが、
まさかさんざん可愛いだの、いい子、だの言われて嬉しくなっているなんて気づかれた方が恥ずかしい。

「ならもう・・・いいよね?」

はぁ、と欲情した吐息をもらしたカカシは、張りつめた自身を取り出し、ぬるりとの入口へと宛がった。
つい、ごくりと唾を飲んでしまったのを、カカシに見られていないだろうか。

伏せていた目を上げれば、同じように期待と欲情に溺れたカカシと目があった。

「挿れるね」

ぽん、との頭を撫で、ぐぐっと腰を入れ込んだ。

「あっ、は・・・・」

独特の圧迫感に、息ができなくなりそう。
ぞくぞくと背筋が震え、思わずカカシの腕を強くつかんでしまった。

「はあ・・・やっぱ、よすぎ」

カカシの気持ちよさそうな声を聞いて、ますます腕を掴む手に力が入ってしまう。

『そんな声、ずるいよ・・・』

ゆるゆると動き始めるカカシに合わせて、の腰を揺らめいてしまう。

「あー、やばい、よすぎてすぐ出ちゃいそう」
「もう・・・酔っ払い・・・」

いつもよりは抑え目なカカシの動きが、にとっては少し物足りない。
しかしカカシはアルコールのせいなのか、すでに切羽詰まっている。
気を抜いてしまえば、というのもありえそう。

「ま、が満足するまで頑張るけど、ね」
「ひあっ!」

いきなりずんっと突かれ、つい声が漏れてしまった。
それを合図にがつがつと動き始め、も一気に上り詰めてしまいそう。

「あっ、あ、はげしい、カカシさんっ!」
「激しい方が、好きでしょ?」
「な、なに言って、あっ、んあっ!」

口を開けば喘ぎ声しか出なくなってしまい、恥ずかしくて手で口を覆った。

「んっ、ふあ、んんっ!」
「こーら。の可愛い声、ちゃんと聞かせてよ」
「!」

にやっと笑ったカカシがの手をつかみ、口から離させた。
切羽詰まった中、またしても聞きなれない単語に、思わず力が入ってしまった。

「わ、・・・んくッ!」
「んっ・・・!!」

どくん、とカカシのものが注ぎ込まれる感覚に、もびくりと達してしまった。

「く・・・はぁ・・・」

どくどくといつも以上の量が注ぎ込まれ、そのたびには体を震わせた。

「は、あ・・・・もう・・・お風呂入ったばっかなのに」
「いやー、すまんねぇ」
「もう一回お風呂入らなくちゃ」
「一緒にはいろっか」
「あ、まって!」

カカシは自身を抜こうとするのを、は慌てて止めた。

「なあに、足りなかった?」
「ち、ちがくて・・・その・・・お風呂場まで、このまま・・・」
「・・・ああ、そういうことね〜」

理解できたカカシは繋がったままのを抱き上げ、抱きかかえたまま風呂場へと向かった。
中から溢れてソファを汚してしまうのは避けられたが、抱きかかえられた瞬間にしまった、と後悔した。

「ん・・・ッ、は・・・・」

ずんずんと歩くたびにその刺激がを襲うが、きっとカカシはそんなつもりないのだろう。
一人でまたそんな気を起こす訳にはいかないと、ぎゅうと抱きついてその刺激に耐えた。

カカシにしてみれば、耳元で小さく喘がれているようなもの。
自然と下半身に血液が集まる。


・・・」
「んっ、は、はい・・・」
「もう1回シよっか」

へにゃっと笑いながら言うカカシに、つられても笑ってしまった。


「この酔っ払いめ」





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