・・・はあ・・・・・・・」

熱に浮かされたようにの名前を呼ぶカカシは容赦なくガツガツと奥深くを突き上げ、そのたびに頭の中がスパークするような感覚には思わず甲高い声を上げながらシーツを握りしめるしかなかった。

「カカシ、あっ!奥、ダメ・・・ッ!」
「は・・・ッ、気持ちいい・・・」

カカシの気持ちよさそうな声になおさら煽られて、痛いくらいに胸が高まって仕方がない。

・・・」

頭の後ろに手を宛がわれ強引に口づけられ、舌さえも愛撫される感覚に早くも限界を迎えそうだった。

「んっ、は・・・!ん、んんっ!」

カカシの手がの手を握りしめ、甘い吐息と共に深く口づけられた途端にバチバチと目の前が白く光りあっと言う間に上り詰めてしまった。

「はあ・・・」

額に伝う汗を拭ったカカシは一度自身を抜き、息も絶え絶えのの身体を抱えてベッドの上に四つん這いに倒し、荒い呼吸のまま再び泥濘へと自身を埋め込んだ。

「ま、まってまだ・・・!あ、ああっ!」

制止の声も聞かずに再び中に入ってくる感覚にゾクゾクと背筋が震える。
さっきの余韻も抜けきれないのに後ろから突き上げられて、身体を支える腕に力が入らずにベッドの上に突っ伏したままカカシに揺さぶられていた。



突っ伏しているの腕を取ったカカシは無理やりぐいっと引き寄せ上半身を起こさせた。
そのまま後ろから抱きしめられる形となり、が上半身に身にまとっていた服を脱がせベッドの下へ落とした。

「こっち・・・」

くいっと顎を引かれて後ろを振り向いたところを口づけられ、身体同士がぶつかり合う音が部屋に響いた。
一方後ろから回された手がするすると身体中を撫で回し、後ろから貫かれている結合部分にカカシの手が伸びた。
すでにそこはもう蜜が溢れかえっていて、カカシの指先が触れた途端にとろりとの太ももに一筋垂れた。

「ひぁっ!あっ、ま、待って!あッ、それダメ・・・ッ!!」
「キツ・・・」

愛液にまみれた指先で主張をしている部分をコリコリと弄られ、もはや声にならない声をあげたにカカシも苦しそうに吐息を漏らした。

「あッ、あ、おかしくなっちゃう、カカシ!」
・・・・愛してる・・・・・・」

無我夢中でのことを求めるカカシにもはやなにも考えられなくなって、限界が近いにもかかわらずカカシの方を振り返り口づけを求めた。

「ん、あ・・・カ、カシ・・・・!」
「ッ・・・!うぁっ・・・!」

ぐっと奥深くまで挿し込んだのち、熱い精液が身体の奥に当たった感覚にはビクビクと身体を震わせた。
自分自身も達した勢いで反り返った身体をガクッと弛緩させ、下半身はそのままに上半身をベッドにどさりと倒れこんだ。

「くッ・・・」

その後何度かストロークを繰り返したのちようやくずるりと抜かれたが、その記憶があいまいなままはぷつりと意識を途切れさせた。





一方、何度目かの射精かも曖昧なまま自身を抜いたカカシは、ベッドの上に倒れ込んだを見下ろし乱れた呼吸を整えた。

ようやく意識がはっきりしてきて、さっきまでにしてきた行動を思い返していた。

「はあ・・・やっちまった・・・・」

まさか任務中に負傷していたのに気が付かず、に怖い思いをさせてやらかしてしまうとは。

ベッドの上に座り込んだカカシは横になっているの頭をやさしく撫でると、ゆっくりとの目が開いた。

「ん・・・・カカシ・・・」
・・・。ごめん、おれ・・・」
「ううん、大丈夫。大丈夫だから・・・・」

そういって再び目を閉じたにカカシはほっと胸をなでおろした。

おそらく無意識のうちにつけていたキスマークをそっと指でなぞると、再びむくむくと欲望がわいてきて、さすがにこれ以上はまずいと思ったカカシは慌ててベッドから立ち上がった。

「・・・・・」

上から見下ろしたの姿はまさに事を終えたあとの煽情的な姿で、それも自分自身が招いたことなのにそれだけで下半身に血が集まる。

もうこれ以上出るものはないと思っていたが、気づけば再びの上に覆いかぶさっていて、意識のないの中へと自身を埋め込んでいた。

「は・・・」

罪悪感と背徳感が余計に刺激するのか、たまらず何度も腰を打ち付けてしまう。

「はぁ・・・気持ちいい・・・」

ベッドがギシギシときしみ、粘膜同士が擦り合う卑猥な音がヒートした頭を増長させる。
ひたすらを求めてしまい、そんな自分に嫌気がさしながらも体を止めることができない。

「く・・・・はぁ・・・は・・・ッ」

の脚をぐっと締めるように持ち欲望のままに何度も突き上げているうちに身体の奥底から鼓動と共に熱いものがこみ上げてきて、バチバチと頭の中に電気が走るような感覚。

「う・・・・・くッ!」

ゾクゾクと背筋が震え射精感がこみ上げてきたと同時に、それを我慢することなくの中に欲望を弾かせた。

「は・・・はぁ・・・・」

快楽と、罪悪感と、興奮と。
一度真っ白になった頭の中にグルグルといろんな感情が渦巻いて、その渦巻きに眩暈がしてそのままドサリとベッドの上に倒れ込んだ。



先に目を覚ましたのはだった。
朝日で明るくなった部屋の中、裸のまま上半身を起こし、ボーっとする頭で隣を見るとこれもまた裸のまま眠っているカカシがいた。

「・・・・あ!」

昨夜のことを一気に思い出し、慌ててカカシの肩を揺さぶった。

「カ、カカシ!カカシ!」
「・・・・ん・・・」

小さく唸り声をあげて返事をするカカシにまずは一安心。

「ね、大丈夫?身体、どっかおかしいところない?病院、行ける?」
「・・・・・ん」

いまだ目を開けないまま「ん」としか言わないカカシに不安を覚える。
もしかしたらまだ体が辛いのかもしれないと、やさしく頭を撫でてやりしばらく様子を伺った。

「ふふ・・・・」
「?」

目をつぶったまま笑ったカカシはようやく片目を開けて、の方を見上げた。

「大丈夫だよ。ごめんね、ありがとう」
「もー・・・・」

口では悪態をつきながらもようやく安心したはベッドから起き上がり、ベッド下に落ちていた昨夜着ていた服を見て苦笑い。

「カカシ起きて。一応、病院行こう。わたしも一緒に行くからさ」
「・・・・・子供じゃないんだから」

一人で行けるよ、と言いたいのかそれとも病院に行かなくていい、と言いたいのか。
そんなことはどうでもいいと、眠り続けるカカシの腕を引っ張って無理やり身体を起き上がらせた。

「わかった、わかったよ。行くよ」
「じゃあ、支度しよ!」

やれやれと言わんばかりにようやく起き上がったカカシはあくびをしながら「おはよう」と呑気にに笑顔を見せた。




「あの・・・、それでカカシの結果は大丈夫でしょうか・・・?」
「んー、そうさねぇ」

結局病院まで一緒に来たは診察までも一緒に受け、さっきの呑気な感じから一変して気まずそうなカカシの隣で、だれよりも真剣な表情で医師の話を聞いていた。

「まあ、結果から言って何の問題もありませんな。というより、毒っけは全部抜けておりますな」
「よかった・・・・」
「でも・・・」
「でも?」

負傷した本人よりも安堵の表情を浮かべていただったが、医師の不穏な接続詞にサッと血の気が引く。

「聞いていた射精回数だと全部抜けきれない可能性はありますな。まあ数値には出ないし問題はないんだがね」
「そう・・・・ですか」
「・・・・・」

カカシが受けた媚薬は物理的に体外へ排出されることでその効果も影響もなくなるとのことで、記憶があいまいなカカシに代わってが射精回数などを診察に必要な情報として医師に伝えていた。
診断に必要な内容だとは言え、それを恋人の口から発表される精神的苦痛に今後この類の負傷は一切しないようにしようと心にかたく誓っていたカカシだったが、医師からの思わぬ発言に今度はカカシの血の気が引く。

さすがに昨夜の意識がないなか独りでその身体を弄んでいたなんて言える訳もなく、そのうえ中に出してそのまま気絶するように意識を手放したなんて、口が裂けてでも言えない。

「まあまったく影響はないです。ほいじゃあ別に薬もないし、これで終わり。お疲れさん、お大事に」
「あ、ありがとうございました」
「・・・・・・」

診察を終えて席を立った医師にはペコリとお辞儀をして見送り、その隣でカカシは頭を抱えたい気持ちを抑えていつもの自分を装った。

「何もなくてよかったよ。じゃ、帰ろうか」
「うん」

上手いこと取り繕えたのか、何事もなく病院を出てゆっくりと家まで歩いて帰ることにした。

「あのさ、カカシ」

手を繋いで歩いていたが、ふとが俯きがちに呟いて歩みを遅くした。

「さっき、お医者さんが言ってたことなんだけどね」
「う、うん」

再び訪れたきわどい質問にギクリと緊張が走る。

「昨日、夢かなーって思ってたんだけど、でもなんか・・・」
「あ・・・・・あぁ・・・」

明らかに動揺した様子が丸出しな返事に我ながら泣けてくる。

「もしかして、わたしが寝てる間に」
「ごめん。シた。シました」
「!!」

あまりにも耐え切れなくなり、もはや食い気味で事実を白状した。
さすがにも驚いたのか足を止め、目を真ん丸にして顔を真っ赤にしていた。

「ごめん・・・昨日はほんとどうかしてたんだ・・・」
「・・・して・・ば・・・よかっ・・・のに」
「え?」

真っ赤な顔を隠すようにうつむいたが小さな声でボソボソ呟いた。
さすがに聞こえなかったカカシが聞き返すと、恥ずかしそうに少しだけ顔を上げたが「起こしてくれればよかったのに」と言葉を漏らした。

「衝動的だったし、さすがにを起こせなかったよ」
「でも・・・だって・・・カカシとなら、何回でもシたい・・・から」
「!」

今度はカカシの方が驚いて、みるみるうちに顔が赤く染まっていった。

「・・・・・・」
「・・・・・・」

二人して顔を赤くして、黙ったままチラリとお互いを見つめ合った。

「・・・・早く家、帰ろうか」
「うん・・・」

その言葉の意味するものを察している二人は、家に着くやいなや──────。










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