「あ〜・・・しまった・・・」 毎朝、洗顔をしてコンタクトをつけるのだが、ついコンタクトを破ってしまった。 今日は特に用もないし、コンタクトも残り少なくなってきている。 もうメガネでいいか、と棚の奥底に眠っているメガネを取り出した。 「あれ、メガネ?珍しいね」 「うーん、コンタクト破れちゃって」 「ふーん。メガネ姿もなかなかいいねぇ」 洗面所から出てきたにニヤニヤしながらカカシはソファで本を読んでいた。 メガネ姿を見せたことなかったかなと思いつつ、カカシの横に座った。 「メガネなんていつぶりかなー」 「そういえばコンタクト外してる姿は見たことあるけど、メガネ姿って・・・」 「見せたことなかったかな」 「コンタクト外したあとメガネなしって、見えないんじゃないの?」 んー、とうなりながらはメガネをはずした。 「メガネってここら辺むずがゆくならない?」 眉間の辺りをむにむにと揉みながら言った。 元から目が悪かったわけではなく、大人になってからメガネを着用するようになった。 メガネをかけるとなんだか眉間がむずむずする。 鬱陶しかったり、むずがゆかったり。 だからあまりメガネはかけたくない。 その言葉にカカシはプッと笑って、のメガネを手に取り、どれどれと自分にかけた。 「あ、似合う」 「そう?それにしても、結構強いね」 「がくっと視力が落ちちゃって」 「あれは?」 唐突にカカシがカレンダーを指さした。 「25日は何曜日でしょう」 「・・・・わかんない」 「じゃあ、これは?」 手に持っていた本の表紙をに向けた。 「題名?それくらいはわかるよー・・えと・・・推測・・ん?」 ぐ、と本に顔を近づけた。 いつものバカげた本ではなく、今日に限って堅苦しい本を読んでいる。 表紙の文字ですら小さくて読みずらい。 「あ、推測と憶測の心理!難しそうな本だこと」 「はは、相当だね」 「メガネ返してよー」 ちょっと悔しい。 そしてじれったさも感じる。 「・・・俺の顔も見えてないの?」 先ほどと声のトーンは変わらないが、若干の動揺が含まれていたのがわかった。 思いのほかの目が悪くてびっくりしたのだろう。 「そんなことないよ。もう頭の中にしっかりとその顔が刻まれちゃったから、脳が勝手に補正してくれてるよ」 そんなカカシが可愛くて、無意識ににっこり微笑んでいた。 安心したのか、カカシもなんだそれ、と笑った。 「ま、もし見えなくても・・・」 ぎし、とソファが揺れた。 「近づけばいいだけだしね?」 の顔の数センチ先にカカシの顔があった。 「!!」 びっくりして、顔を真っ赤にして固まっていると、カカシはそのままちゅ、とキスをした。 「メガネ返却〜」 まだ固まっているにメガネをかけさせた。 「あれ?ちゃーん?」 「・・・・」 かああ、と顔が紅く染まって行く。 「本当かわいいねぇ、あなたは」 たまらずカカシは再びにキスをした。 for ... NOVEL TOP |