「10、9、8・・・・」


年越しの瞬間を、二人でコタツに入りながら迎える。
時計を見ながら楽しそうにカウントダウンするの横で、カカシはを愛おしそうに見つめた。

あぁ、今年も無事に終えられた。
と一緒に、新年を迎えられる。


「3、2、1・・・」


新しい年を迎える瞬間、ぐいっとの顔をこちらに向かせ、口づけた。
最初は驚いていただが、嬉しそうにカカシの首に手をまわし、その体を抱きしめた。

「あけましておめでとう」
「おめでとうございます!」

外では花火が上がる音がして、目の前には愛しい相手。
なんとも幸せな状況に、自然とお互いの笑みがこぼれる。

「せっかくだし、初詣いこっか」
「うん!」



*    *    *    *



「わあ〜すごい人!」
「あーこらこら」

神社にたどり着く前からの人だかりに構わずつっこむに、慌ててその手を取る。

「迷子になっちゃうよ」
「ん〜・・・否定できないな〜」

素直に聞きいれたは、つながれた手を握り返してゆっくりと歩き出した。
純粋に、カカシと手を繋げたことが嬉しかったり。

十二支を言い合ったり、去年はなにやってたかなんて話していれば、ぞろぞろと行列は進んでいき、気付けばお参りの順番はもう目の前。


「カカシはなにお願いするの?」

定番の質問を投げかければ、カカシはにっこりと笑って「ひみつ」と答えた。

気になるなぁ、なんて思いつつもお賽銭を箱へと投げかけ鈴を鳴らした。


「・・・・・」
「・・・・・」



下げた頭をほぼ同時に上げ、とりあえずその場から退いた。

「たぶんね、たぶんだけど、わたしカカシと同じことお願いしたんじゃないかなぁ」

がそう呟けば、カカシは嬉しそうに微笑んだ。

「俺もね、そう思ってた」
「あは、だよね!あ、ほら、おみくじ引こうよ!」

やけにごった返している神社の一角、おみくじが置いてある場所へと移動した。

「カカシは去年なんだった?」
「去年は任務だったからおみくじもお参りもしてなかったな」
「きっとカカシはね、中吉だよ」
「えー、せっかくなら大吉がいいんだけど」

なんてふざけ合いながらお賽銭を箱に納め、ごそごそとおみくじが入った箱に腕を突っ込む。

「ん〜・・・・これ!」

じゃーん、とカカシに見せびらかすように引いたおみくじ。
カカシも腕をさし入れ、一枚選ぶ。

「じゃあ、せーので開けようね!」

やけにウキウキした様子のに、ついカカシも笑みがこぼれる。

「いくよ、せーの!」

二人同時に見せ合ったおみくじ。
そこには達筆な字で
大吉
という文字が刻まれていた。


「わあ!どっちも大吉!」

嬉しそうに笑うに、カカシも嬉しくなる。

「えーっとどれどれ・・・」

まずはのおみくじを手に取り、書かれていることを読む。

「願い事は・・・思い通りになるって。あ、でも学問は諦めろだって」
「あ、バカにしてる!」
「いや、もう神様から言われてるんだから、諦めもつくからいいじゃない」
「もー!カカシのは?」

半分奪い取るようにカカシのおみくじを受け取り、今度はが読む。

「なーんだ、学問は安心して勉学せよ、だって」
ちゃんの分も俺は賢くなるよ」
「ふふ、頼みますよ〜」

あとは〜、と読み進めると、ある項目で目が止まった。
それに気づいたカカシが、なにごとかとの顔を見てみれば、頬を赤くして照れたように笑っていた。

目線の先を見てみれば。


恋愛・・・今の人が最上 迷うな


ぱっとの分のおみくじを見てみる。


恋愛・・・今の人が最上 迷うな



「・・・・・」
「・・・・・」


思わず二人して顔を見合わせてしまった。

ニヤニヤと感情を抑えきれてないが愛おしくて、たまらず口づけた。


「神様公認の仲・・・ってことかな?」
「あはは、そうかもね」


ころころと笑うをぎゅうと抱きしめ、頭を撫でる。

「来年も、そのまた次の年も、そのあともそのあとも、ずーっと一緒にお参りこようね!」
「うん、そうだね」



神様、どうかこの愛する人と一緒にいられる幸せが
ずっと続きますように





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